群馬大学 大学案内 2023
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栗■■田■伸■■幸■■夢ナビライブで栗田准教授の「ミニ講義」を体験しよう!https://talk.yumenavi.info/archives/2477?site=p栗田研究室@群馬大学電子情報部門HPhttps://sites.google.com/gunma-u.ac.jp/nkurita/6群馬大学GUNMA UNIVERSITY CAMPUS GUIDE 2023クラウドファンディングについて薬での治療が難しい重度の循環器の患者さんを救うためには心臓移植が有効ですが、ドナーが見つかるまでには長い時間が必要です。特に小児の心臓移植はドナーが少なく、移植を待つ時間も長くなります。小児用人工心臓は事業化が難しく開発が遅れています。ドナーを待つ間も安心して過ごせるように超小型磁気浮上モーターを用いた、長期間使用できる耐久性に優れた小児用体内埋込型人工心臓の開発について、クラウドファンディングを実施しました。59日間で760名の方から総額30,980,000円のご寄附をいただきました。TOPICProfile山形県出身。2006年に茨城大学博士号取得。2006年4月から2009年3月都城工業高等専門学校機械工学科助教。2013年7月から2014年3月TexasHeartInstitute(アメリカ・テキサス州)でSeniorResearcherとして磁気浮上型完全置換人工心臓の研究に携わる。2017年9月から2018年3月JohannesKeplerUniversityで客員研究員として磁気浮上モーターの研究。2016年9月から群馬大学准教授小児用超小型人工心臓今回のクラウドファンディングは磁気浮上技術を用いた小児用の人工心臓の開発が目的です。群馬大学としても大きな取り組みと捉えていただいて、医学部との連携や広報活動をはじめ、強力な布陣で臨みました。失敗できないという覚悟でスタートしましたが、当初目標を大幅に上回るスピードで目標額を達成することができました。磁気浮上技術とは、リニアモーターカーなどにも使われている磁気の力を使ってモノを浮かせる技術です。浮かせることで擦れる部分が無く摩擦がとても少なくなります。扇風機のかごの中でプロペラだけが浮いて回っているイメージです。電磁石とモーターの組み合わせで永久磁石を作り、これを上手く利用すれば人工心臓に応用することができます。ゴミなども入らず、擦れる部分が無いので、小型で、かつ血液のダメージが非常に少ない人工心臓を作ることができます。大学の研究は、アイデアを基にアイデアを実証するための装置を製作し、論文を書くことによって目標を達成したということになります。ただ、その後実際のモノを作るというのはとても長い時間や資金、多くの人の協力が必要になります。人工心臓を作るためには長い道のりがあるんです。今回のクラウドファンディングによって、想いに賛同してくれる方や実際に人工心臓を必要としている方との距離感が近くなりました。磁気浮上技術を必要としている大勢の方とつながりが持てたということが非常に良かったことだと思っています。群馬大学初のクラウドファンディング群馬大学 大学院理工学府 電子情報部門 准教授「超小型人工心臓」で命を救いたい2

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