浜松医科大学 NEWSLETTER 2023.3(Vol.49 No.2)
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介紹NEWSLETTERIntroductionゼミの時の集合写真集合写真静岡大学 伊藤友孝准教授らと共同研究卒業研究12他の講座にはない特徴を教えてください。専門性が異なる医師が協力しながら、教育、臨床、研究に取り組んでいます。日々の臨床から研究のヒントを得るべくresearch mindをもった臨床医の育成を目指しています。他の講座にはない特徴を教えてください。他分野と連携した研究に取り組んでいる点が老年看護学の特徴です。以前よりICTやロボティクスを活用した高齢者ケアの実践方法の開発に取り組んでおり、最近では静岡大学工学部伊藤友孝准教授らとVR・ARによる多職種せん妄ケア教育プログラムを開発しています。また、福祉分野と連携し、感覚刺激により認知症高齢者とのコミュニケーション促進・身体拘束軽減を図る、認知症マフを用いた取り組みも行っています。さらに大学院ゼミには、静岡県内だけではなく、大阪、山形等から通学する院生や中国出身者の参加者もいます。臨床看護学講座(老年看護学)どんな研究をしていますか?老年看護学では、高齢者のケア方法の開発や健康長寿の延伸のためのシステム構築に取り組んでいます。具体的な研究テーマとしては、高齢者の転倒・認知症予防プログラム、高齢者ケアの質評価、認知症看護・介護に関する教育プログラム開発、高齢者の再入院予防、遠隔モニタリング、世代間交流、認知症高齢者の慢性便秘マネジメント教育プログラム開発、糖尿病性腎症の重症化予防の尿検査アプリ開発等があります。地域の保健・医療・福祉の専門家だけではなく、音楽家、獣医師や高齢者等と連携して、音楽療法、動物介在療法、ロボットセラピー、タクティールケア(タッチケア)、認知症模擬患者教育プログラムに取り組んできました。最近では、認知症高齢者のパーソン・センタード・ケアを基盤とした日常生活や最終段階の意思決定支援に取り組んでいます。講座・研究室Department ・ Laboratory 産婦人科学講座どんな研究をしていますか?産婦人科学講座は、産科、婦人科腫瘍、不妊症、女性医学など多様な診療領域から構成されています。研究テーマの一つは、Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)です。DOHaDとは妊婦の管理などで影響をうける胎児期の環境因子が、胎児発育のみならず出生後の健康や疾患リスクに影響を及ぼすという概念です。胎生期低栄養マウスモデルを用いて産生仔のエピゲノムの変容を探索し、ヒトのコホート研究を行っています。当講座で古くから引き継いできた研究テーマに羊水塞栓症があります。羊水塞栓症は母体死亡を来す重篤な疾患です。羊水塞栓症登録事業を約20年行っており、全国から送付された検体を用いて、特異的な診断マーカーの探索、全ゲノム解析による羊水塞栓症発症のハイリスク遺伝子変異の探索を行っています。胎盤病理所見をデータベース化し、次回妊娠の周産期管理に役立てるのみならず、出生児の長期的な発育、発達との関連を探索しています。

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