浜松医科大学 NEWSLETTER 2023.3(Vol.49 No.2)
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sweN inmulA▲ St George‘s University of Londonの入り口(病院とつながっている)▲ Faculty of Health, Social Care and Education,   Kingston University and St George's University  of London の案内 こちらからご連絡ください!看護学科1期生の辻村真由子と申します。愛知県豊橋市出身です。看護学科を卒業後、24年が経ちました。令和3(2021)年3月に滋賀医科大学に教授として着任し、公衆衛生看護学講座内に新領域である訪問看護学領域を立ち上げました。学生時代はバドミントン部に所属し、滋賀医大戦(滋賀医大からみると浜医大戦)で本学を訪れたことがあり、不思議なご縁を感じます。私の専門分野は、訪問看護学です。大学入学前に訪問看護という活動があることを知り、いずれは自分の家族にも必要になる、大切な分野であると考え、学部生時代からずっと関心を持っていました。卒業研究では、石垣和子教授(石川県立看護大学名誉教授、日本看護系大学協議会常任理事)のご指導のもと、認知症を有する夫を介護する妻を対象として調査を行いました。大学卒業後は、実践力を磨くべく、地元の豊橋市民病院へ就職し、整形外科・リウマチ科病棟(後に不妊センター併設)の看護師として勤務しました。その後、千葉大学大学院看護学研究科に入学、訪問看護学教育研究分野に所属して再び石垣和子教授に師事し、看護学の修士号、博士号を授与されました。大学院在学中は、千葉県内で訪問看護師として活動しました。大学院修了後は、千葉大学、千葉県立保健医療大学で教員として訪問看護学の教育研究に従事してきました。その間、Seinäjoki University of Applied Sciences(フィンランド)、University College Dublin(アイルランド)、Seoul National University(韓国)等の研究者との国際共同研究、St Georgeʻs University of London(イギリス)へのサバティカル研修などを行い、各国の文化に根付いたケアやシステムを学び、日本の看護の特徴や良さを実感してきました。現在の主な研究テーマは、(1)家族看護を基盤とした在宅看護、(2)地域における多職種連携・訪問看護師育成の体制構築、(3)在宅ケアロボットの活用(国際比較研究を含む)です。今後10年間の主な仕事は、「訪問看護の実践・研究・教育を担う次世代の育成」です。本学では全国的にみても珍しい「地域医療実践力育成コース」(選択制、定員10名)を学部に設置しています。大学卒業時の地域医療実践力を高めるため、訪問看護事業所での個別ケアに関する積み上げ実習、コミュニティケアや地域包括ケアシステムなど、地域を支える医療活動や看護活動について広く深く学習する選択コースです。大学院修士課程では、研究コースと高度実践コース(特定行為実践部門)を担当しています。訪問看護や在宅ケアに関心を持つ貴重な人材が活躍できるよう、次世代の育成に努めたいと考えています。最後に、滋賀県には、「三方よし(売り手によし、買い手によし、世間によし)」という言葉があり、人々の暮らしの哲学のようになっています。令和6(2024)年3月には学術集会長として、第16回文化看護学会学術集会を滋賀県で開催する予定です。皆様と交流できますことを楽しみにしています。看護学科1期生(平成11年3月卒業)辻村 真由子NEWSLETTER18訪問看護を担う次世代の育成「卒業生は今」の執筆者募集中!

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