浜松医科大学 NEWSLETTER 2023.10(Vol.50 No.1)
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NEWSLETTER令和5(2023)年4月1日付で総合人間科学講座(化学)の教授を拝命いたしました。私は高校卒業まで愛知県岡崎市で過ごし、北海道大学で博士課程までお世話になりました。学位取得後、理化学研究所(和光)で博士研究員として従事したのちに、再び北海道大学へ助手として戻りました。その間、マックスプランク研究所(Mülheim an der Ruhr)で研究する機会を経て、平成26(2014)年に本学に准教授として赴任しました。赴任地が浜松ということで「モーターサイクルの街」の言葉が頭をよぎりました。学生時代にけじめをつけたはずだったのに、思い出されるあの振動と疾走感。大型二輪免許と愛車の入手に、さほど時間はかかりませんでした。令和5(2023)年4月1日付で神経生理学講座の教授を拝命いたしました。私は平成17(2005)年に徳島大学大学院工学研究科で学位を取得した後に熊本大学大学院医学薬学研究部・助教を経て、平成26(2014)年より金沢大学医薬保健研究域医学系・准教授を務めてまいりました。学位取得後は一貫して、脳神経系の発生と進化の分子メカニズムおよびそれらの生理学的意義の解明を目指し、様々なモデル動物を用いて分子発生医学研究を行っております。徳島大学ではコオロギを、熊本大学ではマウスとニワトリを、金沢大学ではフェレットを用いた令和5(2023)年4月1日付で腫瘍病理学講座の教授を拝命いたしました。私は浜松市出身で、本学医学科を卒業した後、本講座(当時は旧称の第一病理学講座)に入局し、医学博士号も本学で取得しました。東京の国立がんセンター研究所生物学部に6年半(がん研究振興財団リサーチレジデント、研究員)、米国Cincinnati大学医学部細胞生物学部門に2年間(学振特別研究員、助手)と研究留学期間もやや長かったのですが、病理医としての修練も積んできました(病理医三種の神器と呼ばれる病理専門医、細胞診専門医、分子病理専門医も取得済みです)。本学の教員としての採用(本講座助手)は平成17令和5(2023)年6月1日付で基礎看護学講座の教授を拝命いたしました。私は愛知県西尾市(三河地方)の出身で、自然が広がるのどかな土地で、野原を駆け回る子供時代を過ごしました。愛知県立看護大学を卒業後、友人にくっついて上京し、看護師として5年間勤務しました。その後、名古屋大学で助教、静岡県立大学で准教授を務めました。浜松市での生活は初めてですが、学生さんの話す遠州弁の中に三河弁との類似を発見し親近感を抱いております。私の研究の目標は、誰もが人間として当たり前に抱く「最期まで自分の力で動きたい」という願いを支えること中国の故事成語に「三上」という言葉があるようで、これは「鉄の馬」の上でもあてはまるのかもしれません。乗っていると、ふと研究や実験のことを考えていることがあります。そんな研究や実験についてですが、私の専門は有機化学です。新しい合成手法の開発として電極を使った合成反応や不斉触媒反応の開発に取り組んできました。本学着任後から、酸素酸化を活用した触媒反応に着手し、修飾された核酸塩基の合成研究も行っています。どの分野でも言えるでしょうが、重ねた実験の末、遭遇するセレンディピティやブレークスルーがあります。そして、そこから始まっていく実験に、私の場合、たまらない疾走感を感じます。これを味わうために今後も精進してまいります。in vivo解析を展開してまいりました。浜松医科大学に着任してから間もなく7ヶ月が経とうとしておりますが、多くの先生方に温かく迎えていただき深く感謝申し上げます。微力ながら浜松医科大学の発展に尽力致す所存です。これまでの経験と知識を活かして臨床医や医学研究者の育成に貢献するとともに、浜松医科大学の優れた研究環境を積極的に活用させていただき、独自の脳科学研究を世界に向けて発信できるよう精進してまいります。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。(2005)年からで、平成20(2008)年からは同講座准教授を務め、皆様にお世話になってきました。研究に関しては、これまで国内外留学先での仕事が端緒となったDNA修復(塩基除去修復)異常と癌、中心体・一次繊毛異常と癌の研究を本講座でも継続して進めてきました。今後は、両分野をさらに発展させていくと同時に、病理診断支援AIの開発や、NGSをベースとした新規腫瘍解析、新規腫瘍形質のイメージングなども本学の先生方と共同で進めていきたいと思っております。また、病理診断については、病理部、再生・感染病理学講座と共同で本講座も担当してまいります。今後とも皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。です。現在は、認知機能の維持改善に焦点を当てて、高齢者や病気の人でも実施できるような軽運動の効果や、不活動への介入を検討しています。私はこれまで務めた大学で、学問の枠を超えて議論できる仲間に恵まれました。これからは浜松を拠点とし、看護をより深く探求しながら、同時に看護の枠だけにとらわれない広い視野をもった教育・研究の実施を目指して尽力してまいります。ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。総合人間科学講座(化学)教授黒野 暢仁神経生理学講座 教授新明 洋平腫瘍病理学講座 教授新村 和也基礎看護学講座(基礎看護学)教授永谷 幸子【専門分野】神経発生学、神経生理学【専門分野】腫瘍病理学10

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