浜松医科大学 NEWSLETTER 2023.10(Vol.50 No.1)
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紹介NEWSLETTER集合写真末梢神経障害モデルマウスの中脳水道周囲灰白質において内因性カンナビノイドが低下している第55回日本側弯症学会を開催して大学院健康科学特論授業風景Introduction12他の講座にはない特徴を教えてください。整形外科の分野は脊椎、肩、手・末梢神経、股関節、膝関節、足関節・足部、スポーツ障害、腫瘍、関節リウマチ、小児疾患、代謝性骨疾患に細分化されており、それぞれの診療グループが国内、海外学会で多く発表し、論文化しています。さらに、単に独立しているだけでなく、共同でhip-spine、hip-kneeといった関連疾患についての議論を行い、共同で研究や臨床に取り組んでいます。他の講座にはない特徴を教えてください。看護学科の学部教育では、1年次の解剖生理学から始まり、微生物学、環境と健康、2年次の生化学・栄養学、病態生理学、病理学、保健医療行政論、3年次の疫学、保健統計学、さらには基礎看護学領域と連携して、臨床看護の基礎として重要なフィジカルアセスメントの講義・演習も担当するなど、多彩な科目を担当していることが特徴です。学部4年次の卒業研究では、健康科学に関わる様々な実験や調査を指導しています。基礎看護学講座(健康科学)どんな研究をしていますか?現在個々の教員が取り組んでいるテーマは、それぞれの専門に応じて、病原細菌に関するもの(バイオフィルム形成細菌の殺菌や細胞内寄生細菌の細胞内侵入過程の解析)、イオンチャネルに関するもの(細胞上の多種のイオンチャネル間の連携機構と、その異常による神経・精神疾患発症機序の解析)、上皮組織や細胞の機能に関するもの(皮膚の上皮化の解析)など様々です。また、大学院生(看護学専攻)として看護師をはじめ、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、臨床工学技士など、多様な医療系専門職の学生を受け入れ、さらに多様なテーマにも取り組んでいます。講座・研究室Department ・ Laboratory 整形外科学講座どんな研究をしていますか?基礎研究として、末梢神経再生に向けて末梢神経再生に関わる新たな神経再生因子の同定を目標に、近交系マウスでの培養神経細胞を用い、表現型、遺伝型の解析を行っています。その結果従来報告されている神経再生因子とは異なる遺伝子がターゲットとして浮上しました。これらの遺伝子におけるin vitroでの機能解析を行った所、機能喪失実験においては有意な軸索伸長の低下、獲得実験では有意な軸索伸長が見られ、今後in vivoでの解析に進む予定です。また、細胞分子解剖学講座と共同で疼痛制御のメカニズムを解明するため末梢神経障害モデルマウスにおける脳・脊髄内内因性カンナビノイドの発現・分布について研究を行いました。DESIを活用して末梢神経障害マウスでは疼痛制御の中枢で内因性カンナビノイドが低下していることを明らかにしました。さらに、コホート研究(TOEI study)として、愛知県北設楽郡東栄町で高齢化社会の宿命ともいえるフレイルやサルコペニア、ロコモなどの原因を調査しており、これまでに31編の英語論文を出版しています。

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