浜松医科大学 NEWSLETTER 2023.10(Vol.50 No.1)
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sweN inmulA▲ 部活の弓道は今も夫婦で細々と続けています。 家族で部内試合にお邪魔したときの1枚。▲ 摂食嚥下サポートチームの皆さんと(筆者:前列左側)看護学科12期生の清水翔太郎と申します。看護看護学科学科12期生の清水翔私は看護学科を卒業後そのま私は看護学科を卒業後、そのまま浜松医科大学医学部附属病院に就職し、今年で勤続14年目になります。平成30(2018)年に摂食・嚥下障害看護認定看護師の資格を取得し、現在は専従認定看護師という立場で組織横断的に活動しています。先月、5年目の資格更新審査の手続きを終え、ホッと一息ついたところです。私が摂食嚥下の道を選択した背景には、看護師3年目から参加しているNST(栄養サポートチーム)での活動があります。先輩から「栄養の知識はどこに行っても使えるよ」と言われ、部署異動ありきの職業柄を考えると、汎用性の高い知識を身に付けるのはアリだなと思い、NST専任看護師になるための研修を受講しました。実際にNSTに参加して感じたのは、病院の中なのに栄養が不足している患者の多いこと多いこと。そしてその根本には“口から食べられない”という状況が常にあり、心のどこかに引っかかっていました。 こちらからご連絡ください!また栄養管理に精通したNSTの医師や栄養士・薬剤師等と協働する中で、自身の力不足を強く感じ、看護師としてできることを模索していた中で認定看護師という道を見出しました。半年間の認定看護師教育課程での学びは、私の看護師人生の宝です。経口摂取以外でも栄養が摂れる時代に、口から食べることを追求する意義。治療の先にある“その人らしい生活”や“人としての尊厳”の基礎になる“口から食べる楽しみ”をどのように支えるか。専門的な知識や技術はもちろん、認定看護師としての在り方や、自身の看護観を見つめ直し、信念として再構築する素晴らしい機会になりました。そして認定看護師として活動を始めてから自分の思いを形にできたことの1つに、摂食嚥下サポートチーム(SST:Swallowing Support Team)の立ち上げがあります。摂食嚥下障害の原因は多岐に渡り、嚥下機能だけではなく、食欲・認知・口腔・体力・姿勢・栄養・環境・治療による侵襲など様々な要素が影響し“食べられない”状態に陥ります。それらの複合的な要因を多角的に捉え、患者の“食べる力”を引き出すためには、摂食嚥下ケア専門の多職種チームが必要と考え、SST立ち上げのために奔走しました。院内で多職種チームを1つ立ち上げるというのは思っていた以上に大変で、関連部署のトップにプレゼンをして協力を仰ぎながら、各種会議で了承を得ていく過程は、組織へのアプローチ方法を学ぶ上で非常に大きな経験となりました。そして令和3(2021)年11月に無事SSTを発足し、まだまだチームとしては発展途上ですが、チームで検討したプランを基に多職種が連携して食支援を実践できる場面が増えています。国公立大学病院の中ではチーム加算(摂食嚥下機能回復体制加算)件数が昨年度全国1位となり、時勢に先駆けた活動ができていると思っています。私自身、チーム発足に向けて病棟所属から専従認定看護師という立場で活動させていただけることになり、今は毎日摂食嚥下ケアに携わることができています。チームリーダーとしての活動ももちろんですが、なによりもベッドサイドで摂食嚥下ケアに十分な時間を割けることが嬉しく、「仕事が/看護が楽しい」と思える日々を送っています。令和6(2024)年度のトリプル報酬改定でもリハビリ・口腔・栄養といった議題が注目されており、今後さらに摂食嚥下が“熱く”なる可能性は高いです。患者の“口から食べる喜び”を守るために、これからも摂食嚥下ケアの推進者として頑張りたいと思っています。看護学科12期生(平成22年3月卒業)清水 翔太郎NEWSLETTERこの人(本学卒業生)の話を聞きたい、もしくは卒業後の近況を報告したいなど、ぜひご連絡お待ちしております。26“口から食べる喜び”を支える認定看護師

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