浜松医科大学 NEWSLETTER 2023.10(Vol.50 No.1)
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こう【留学までの経緯】【研究室での研修】【最後に】NEWSLETTER▲ Konigstein Fortressへハイキング▲ 研究室での実験の様子▲ Thomas教授と▲ 研究室のメンバーとの食事会【休日の過ごし方】 令和5(2023)年3月、国際交流サークルHOPEが団体登録しているIFMSA(国際医学生連盟)の基礎研究留学システムを通してドイツのドレスデン工科大学医学部附属病院に1ヶ月留学しました。新型コロナウイルス感染拡大後、初めてのHOPEの留学でした。この留学で得た経験を皆様に伝えたいと思います。私が留学の申し込みを行ったのは令和3(2021)年3月、新型コロナウイルスの感染が世界各国で広がって約1年が経過した時期でした。国外はもちろん県外への外出をするのも厳しい状況でした。コロナが少しでも落ち着いていることを願い、留学を申し込みました。 一度留学の手続きが延期になったり、留学開始の半年前に留学先をフランスからドイツに変更せざるを得なかったりと、留学開始の2ヶ月前まで実際に行けるのかどうか分からない不安な状態が続きました。実際に受け入れ先が決まったのは、留学直前の1ヶ月半前でした。私は耳鼻科の研究室に所属しました。ドイツ人はThomas教授を含めて3人しかおらず、フランスやイタリア、インド、中国など様々な国からのPhDの学生や研究員が研究を行っていました。私はドイツ語が話せないため、初日はとても緊張しましたが、研究室ではほとんどの人が英語で会話をしていたため、安心しました。毎日、朝9時〜夜5時まで研究室で研究を行いました。 私の役割はPhDの学生の研究の実験補助で、新型コロナウイルスによる嗅覚、味覚障害の経過を、テストを用いて記録するというものです。他にも英語の論文を読んで発表したり新しい嗅覚テストを研究室のメンバーを対象に行ったり、ポーランドとの国境で行われたThomas教授のAcademic Schoolに同行しました。中でも一番印象に残っているのは、耳鼻科の手術見学や内診見学です。日本では病院での見学を行うことができるのはCBT、OSCEという試験に合格した学生のみですが、ドイツでは特に決まりはなく、医学生以外でも手術や内診を見学することができます。私が人生で初めて見学した手術は、ドイツでの中耳癌の手術でした。臨床医学の授業で手術動画を見る機会は沢山ありましたが、実際に手術室で見る手術は全く異なるものでした。手術中は耳鼻科医の方々が英語で手術を解説してくださり、温かい雰囲気で対応してくださいました。休日は研究室の友達と食事に出かけたり、留学生のお世話をしてくれるドレスデンの医学生達と市内観光やスケートに行ったり、IFMSAの臨床実習留学システムを用いてドレスデンに同時期に滞在していたエクアドルとブラジルの留学生と一緒にプラハやベルリンに行ったりして、充実した時間を過ごすことができました。今回の留学では、ドイツでの医学研究や文化だけでなく、様々な国の人との交流から世界中の文化を学ぶことができました。この留学を通して、視野が世界へと大きく広がり、沢山の国の人と交流してみたいと思いました。 このような貴重な経験をすることができたのは、留学を後押ししてくれた家族や友達、またコロナ禍での留学実現に向けて尽力してくださったHOPEの先輩方やIFMSAのExchange Officeの皆さんのお陰です。特に教授のThomas先生には様々な活動に積極的に誘っていただき、大変感謝しています。現在、私は国際交流サークルHOPEの代表を務めさせていただいています。今年の6月から4年ぶりに留学生の受け入れを再開し、9月までに7人の留学生を受け入れる予定です。今回の留学経験を生かして、浜松医科大学での留学生受け入れを主導していきたいと思います。医学部医学科4年 松田 眞依4視野が世界へ広がったGermanyyyyyyyyyyyyyyyyyermaドイツ基礎研究留学

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