浜松医科大学 CAMPUS GUIDE 2025
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School Gude 2025Faculty of Nursing |i || Curriculum本学カリキュラムは、看護専門科目とそれを支える看護専門基礎科目、科学・外国語から構成されています。講義・演習で学んだ知識をさらに深めるために、第3年次後学期から第4年次前学期にわたって、本学附属病院、近隣の病院、保健福祉施設等で領域別の臨地実習を行います。 小児看護学 小児看護学は、子どもを家族の中の存在として位置付けており、あらゆる健康レベルの子どもとその家族を支援の対象としています。授業は、現代の子どもとその家族を取りまく環境や生活を理解し、子どもがすこやかに成長・発達していくために必要な援助や、子どもの健康問題が子どもと家族にもたらす影響と看護職の果たす役割について学習します。 実習は、本学附属病院の小児病棟、小児科外来、新生児集中治療室(NICU)、および保育園で行い、子どもと家族への看護実践に必要な基礎的な知識・技術・態度を身につけながら、看護職の役割について理解を深めることを目指します。母性看護学 母性看護学は、人間の性の発達を理解し、思春期や更年期に性機能が大きく変化する人、妊娠と出産を経験する母親と父親になっていく人、成長している胎児、子どもの死を迎える人の看護について学びます。また、生殖補助医療や出生前診断を必要とする対象を理解します。 これらの学びを通して生命に対する畏敬の念を持ち、倫理観を育みながら、人々を取り巻く社会の歴史的変遷と少子化の背景にある現状を理解し、看護の心、人を思いやる心を育てます。 実習は、本学附属病院の周産母子センターと地域の助産院で行い、生命の誕生を中心にした母と子、その家族への看護実践を学びます。成人看護学 成人看護学は、成人期(青年期・壮年期)にある人々を対象とした臨床看護学の一分野です。この世代の人々は、家族、職場および地域社会で中核的な役割を担い、社会経済的に要となる人々です。そのような状況にいる人々が健康な状態を維持でき、あるいは疾病を持ちながら、社会経済的な役割を担い生活していくことを看護者としてどのように支えていくのかについて学びます。 3〜4年生では、成人期にある人の特徴と健康障害および看護に関する基礎的知識・技術を活用して対象者に応じた支援が行える看護実践能力を身につけることを目標に、本学附属病院で実習を行います。老年看護学 老年看護学の講義では、高齢者の身体的・精神的・社会的特徴と長い人生で育まれた価値観の多様性を理解し、高齢者への看護支援の基礎となる知識を学習します。そして、高齢社会である日本における老いの意味と価値について考察します。 介護施設や病院で行う実習では、認知症や複数の疾患、何らかの生活機能障害を持ち施設や病院で生活する高齢者の自律を支える看護、また、人生の最終段階を生きる高齢者への看護を実践します。 看護実践を通して高齢者との生きた相互交流を経験することで、老年看護に必要な基本的知識・技術・態度への理解を深め、高齢者とその家族が心身ともに安寧に療養するための基本的看護実践能力を身につけます。さらにさまざまな人生を生きてきたひとりの人として最期までその人らしく生きるための支援や、障害を持ちながら生きることの意義、高齢者の尊厳について考察します。精神看護学 精神看護学で学習する内容は、精神的な困難を抱える人だけではなく、より良い精神の健康を求めている人など、すべての人々の精神の健康を対象にしています。 2年次から3年次にかけての授業では、看護の対象となる人々の生活の質(QOL)の向上とリカバリー(回復)の促進を目的とし、人間のこころ・からだ・くらしにバランス良く焦点をあて、コミュニケーションと対人関係の構築技術、身体及び精神状態をアセスメントする技術を身につけ、対象となる方々に看護を提供する力を身につけていきます。 3年次から4年次にかけての臨地実習は、主に本学附属病院の精神科神経科病棟で行います。授業で身につけた知識と技術を用いて、精神症状や障がいを抱える対象者を深く理解し、夢や希望をもって自分らしく生活できるよう、支援に必要な看護実践能力を養います。公衆衛生看護学 公衆衛生看護学は主に保健師の看護活動について学ぶ領域です。人々の生活の場であるコミュニティ、すなわち家庭・地域・学校・職場などにおける個人・集団・組織への予防活動を扱います。発達段階としては乳幼児から高齢者まで、健康レベルは健康な人から疾患・障害を持つ人まで、関わる対象が広いのが特徴です。授業では地域や職域、学校における多様な健康課題、健康課題を解決するために必要な理論や看護技術の習得、さらには地域包括ケアシステムの構築や保健事業の創出など公衆衛生看護の展開方法を学びます。 実習は、浜松市を含む静岡県中西部圏域の保健所・保健福祉センター、地域包括支援センター、事業場などで行い、それぞれの地域や職域における公衆衛生看護活動の実際を学びます。地域・在宅看護学 地域・在宅看護学では、病気や障がいを抱えながら、自宅で生活する人々とその家族への支援について学びます。健康問題や障がいを抱えながらも、ご自宅で暮らしを望まれる方が増えています。 住み慣れたご自宅で暮らす方の療養生活を支援するには、療養者だけでなくご家族のこと、さらには療養する環境、利用する介護・福祉サービス等を一緒に考えていく必要があります。地域包括ケアシステムのもと保健・医療・福祉といった多くの専門職と協働し、切れ目のない支援を地域の人々と実践するのが地域・在宅看護学です。 訪問看護ステーションでの実習は、訪問看護師と一緒にご自宅で療養されている方を訪問します。実習を通して、人々の多様な価値観や生活の在り方を理解し、療養者と家族の日々の療養生活を多職種と共に看護職がどのような役割を果たすのかを学びます。15専門科目の概要基礎看護学 基礎看護学は、学生の皆さんが入学した後、看護を考えるための第一歩となる科目です。看護は、健康な人、病気の人、生まれたばかりの人から死にゆく人まで、あらゆる人を対象とします。基礎看護学では、これらの看護の対象となる人達がその人らしい生活を送るためにはどうすればよいか、それぞれの人に適した看護を考えるための基礎的な知識や技術を学びます。 基礎看護学の実習は主に本学附属病院で行います。実習では様々な職種や対象者と接することで看護の役割と看護の対象についての理解を深めます。また、対象者の状態を把握し、必要な援助を考え、その援助の実際を学びます。

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