実習のプログラムや留学先について 私は2023年の8月21日から25日まで行われたハワイ大学Workshop for Student Summer Medical Education Instituteに参加してきました。プログラムには日本の医学生30名ほどが参加しており、ハワイ大学の学生と一緒に医学を学びました。 初日と2日目は英語でPBLを行い、日本人の医学生5名とチューター1名で循環器疾患と呼吸器疾患について学びました。このチューターはハワイ大学の医学生で、議論が行き詰まったときに助言をしてくれました。 3日目と4日目には模擬医療面接を行い、禁煙と息切れについての問診を行いました。また、空き時間にハワイの伝統的な踊りである「フラ」を練習しました。 5日目はマネキンを用いた技能実習を行い、病院で倒れた患者の対応や気管挿管について学びました。プログラムの最後に行われたAloha Lunchでは現地の医学生と一緒にハワイの料理を食べながら交流しました。ランチの最後に、フラを披露しました。留学先での経験について このプログラムで経験したことが医学に対する取り組み方を考え直す良いきっかけになりました。自分は日本のPBLで症例が配られたときに、どのようにしたら答えに辿り着くかに重きをおいていましたが、ハワイで行ったPBLでは、除外診断に関しても丁寧に考えていました。他の疾患は考えられるのか、疑いがあるのであればどのような検査でそれを確かめるかなど、他の可能性に対しても真摯に向き合っていました。このことから、臨床現場で患者を見る場合には、症状から病気を判別するだけでは足りず、小さな異常でも見逃さない姿勢が大切なのだと学びました。 医療面接では、ファーストコンタクトから治療は始まっていて、声かけやノックまでも気配りをするように指導されました。自分の動作や言葉一つが患者にとっては大きな意味を持つことを学ぶことが出来ました。 また、一緒にプログラムに参加していた日本の医学生からも多くの刺激を受けました。彼らは自分が苦労していた英語での資料作成なども難なくこなし、限られた時間の中でわかりやすいプレゼンを作り上げていました。また、すでに医学知識が豊富であるのにも関わらずさらに吸収して成長しようとする姿勢を間近で見ることが出来ました。高い能力を持っているのにも関わらず常に自分を高めようとしている姿勢にひたすら感銘を受けました。 最後に、この留学を通して最も成長できたのは異文化に対する理解が進んだことです。ハワイで5日間過ごし、現地の料理を食べ、現地の人と交流し、現地の伝統的な踊り「フラ」を踊りました。また、チップの文化にも触れました。このような体験から、それぞれの国で大切にされているものが異なり、色々な考え方があるのだということを学びました。異文化を完全に理解するのは難しいことですが、理解しようと努めることが大切なのだと感じました。この考え方を実際の臨床にも生かして、たとえ患者さんの全てを把握しきれなくても、それぞれの患者さんが持つ背景に関心を寄せられる医師になりたいと強く感じました。受験生へのメッセージ 今回の留学に関して正直に申し上げると、このプログラムの案内が来たとき、参加するのを躊躇っていました。自分の医学知識や英語力に自信がなく、異国で挑戦することに強い不安を覚えてしまったからです。ですが、困難なことを乗り越えると自分を大きく成長させられると考え、不安を抱えながらも参加することに決めました。今は参加して本当に良かったと思います。このような不安が多い中でも挑戦することができたのは間違いなく受験勉強に真剣に取り組んだおかげです。大学受験という大きな壁を乗り越えたおかげで、自分は挑戦すれば成し遂げられるのだという自信を得ることができました。このように、受験では多くのことを学ぶことができます。今は勉強がとても大変だとは思いますが、それを乗り越えた先には自分に対する大きな自信と色々なことに挑戦できる環境が待っています。このことを忘れないで勉強に取り組んでほしいと思います。応援しています。頑張ってください。※所属・学年は取材当時20Hamamatsu University School of MedicineInternational Exchanges医学科3年海外留学情報https://www.hama-med.ac.jp/education/study-abroad/info-abroad.html海外留学報告書新保宏樹【神奈川県立横浜翠嵐高等学校出身】/ サッカー部所属国際交流
元のページ ../index.html#20