浜松医科大学 CAMPUS GUIDE 2025
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■■医療人として大切なこと 私が医療人を目指す医学生・看護学生に求めることは、第一に勉学の姿勢です。医学部での修学は受験勉強とは明らかに異なります。用意された問題を解くといった学習ではなく、自ら課題を見つけてさらに解決する能力を身に付けるためのカリキュラムが組まれています。予習が前提ですので、かなり時間的にタイトです。授業では双方向の対話を通じて、自らの理解を深めます。必ずしも「正解」があるとは限らないことも大きな違いです。医療人は生涯、正解のない未知の課題に主体的に取り組むことが求められます。 第二に豊かな人間性や倫理観、患者さんに対する共感力、そしてコミュニケーション力等、内的な「豊かさ」の涵養です。当然のことながら、これは一朝一夕で教育できるものではありません。特に、日本では高校から医学部へ直接進学するため、意識的に習得することが必要です。経験を振り返り、そこから自己の能力や資質の改善に繋げるといった過程を繰り返すことが肝要です。 さらに、国際的な視野の涵養、特に文化、人種、地域等の多様性を理解し、寛容であることが求められますが、外国人との交流は有益な機会となり、英語はそのためのツールとして不可欠です。本学では英語を母国語とする3人の教員が実践的英語を能力別に指導しています。初年次のe-learningから医学英語、臨床における英語によるプレゼンテーション力の向上など、卒業時に英語で医学・医療■■多様なキャリアパスに応える看護学科 看護学科では、熱意ある先生方がきめの細かい学部教育を行っています。また本学では附属病院の看護部との連携が密で、臨床実習を含め看護部が積極的に学部教育に協力しています。さらに大学院教育も充実しています。令和4年度から大学院看護学専攻は前期2年、後期3年の区分制の博士課程に改組しており、令和3年度に老年看護、令和4年度からは精神看護の高度実践看護コースも開設し1982年浜松医科大学同窓会松門会(しょうもんかい)により植樹された ヒポクラテスの木の討論ができる医学生を育成するカリキュラムを構築しています。また、基礎医学でも、臨床医学でも倫理的な視点、心理学的考察は極めて大切ですので、倫理学と心理学等の行動科学の修学を基礎・臨床医学でも行います。このようなカリキュラムにより、倫理観と心理的な洞察力の涵養に繋がるものと思っています。 また、医療人はサイエンティストとしての視点、つまり客観的な事実を把握し、重視する姿勢、言葉を替えれば、科学的知見を尊重する考え方が不可欠です。科学的に物事を見る態度やそのために必要な科学的な探究心を皆さんに育んでもらうために医学科では数理・データサイエンスの授業を開講しています。加えて、次世代創造医工情報教育センター(通称 Nx-CEC)において、新しい医療技術の開発や、社会課題に挑戦するアントレプレナーシップ(起業家精神)を身に付けてもらうためのカリキュラムもスタートしています。4Hamamatsu University School of Medicine

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