北海道大学 歯学部学部紹介 2022
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OB歯科学を学びたい皆さんへ─歯科医師・医師の両ライセンスをもつ立場から─17期(平成元年卒)北海道出身 旭川医科大学 教授林 利彦歯科学を学びたい皆さんに私が歩んだ人生とともにメッセージを送りたいと思います。私は1989年に北大歯学部を卒業OG臨床医から研究者へ �������������20期(平成4年卒) 北海道出身 教授樋田京子受験生の皆さん、こんにちは。歯学部を卒業後の進路としては歯科医師になることのほか、他にもいくつかの選択テージをどこで大らかに生活するかは後の転結を迎える上で大切です。オリンピックマラソンに利用される深緑のキャンパスセンターロード、秋に黄金色に染まる美しい銀杏並木を歩くと歯学部学舎があります。獣医学など多様な学部で構成された自然豊かな広大なキャンパスです。長野市出身の私は、東京本郷で2年浪人生活後、1982年春雪の北大に入学、応援団に入団しました。大学院生(口腔外科)として骨研究を開始後、岡山大・フランス留学を経て北海道医療大で学術活動を継続しています。世界7大陸のうち南極・南米以外の5大陸に足を運んだが、振り返ると航空機に初めて乗ったのは北大受験のためでした。航空機のおかげで地球は小さく平坦になっています。近年、バングラデシュやネパールの大学で講義を持ち、手術を伝授する機会が増えた。患者さんの智歯をリサイクルした新技術「歯で骨再生」を途上国で施行した。医療物資の乏しい途上国の歯学生・ドクターは目を輝かせて象牙質移植による骨再生を聞いてくれる。“We can”だからである。北大病院でも顎裂というハンディキャップを有する小学生の自己乳歯を集めて加工し、骨欠損部に世界で初めて再利用された。自己の不要な歯を加工リサイクルしての骨再生は低侵襲の温かい医療である。欧米発の技術は多いが日本から輸出した医療技術は少ない。“Dentistry is a Work of Love”(内村鑑三先生の言葉)。内村先生は素晴らしい感謝の言葉を100年以上前に私達の専門領域に残して下さった。北大は縦横のスクラム精神が強く、在学時代の満足度が極めて高い。歯科医師国家試験合格率が常にトップクラスなのは北大生の集中力と心の余裕でしょう。鈴木 章博士(ノーベル化学賞受賞)、毛利 衛博士(宇宙飛行士)も北大で学んだ。皆さんの活躍の舞台は21世紀の世界です。北大で学び、世界の困っている患者さんに“Work of Smile”を届けてください。し、1年間歯科医師として勤務したのちに北大医学部に再入学して1996年に卒業しました。それから形成外科医として診療に従事しながら、北海道大学歯学部口腔顎顔面外科に所属して歯科学生に一般臨床医学の講義を2020年12月まで担当していました。現在、私は2021年1月より旭川医科大学に新設された形成外科の教授として診療に従事しながら、北海道大学歯学部の非常勤講師として講義も担当しています。私が医学部に再入学した理由は、医科学の中での歯科学の立ち位置を再確認したいためでした。それには医師になり自ら経験して感じ取るしかないと考えたからです。結論から言うと歯科学は、内科学、皮膚科学、泌尿器科学などと並列に存在するもので、医科学の中の一分野であるという当然の結果にたどり着きました。こんな単純な結果を得るために自分でも何と遠回りをしたものかと考えます。高校を卒業した時点で、歯科医師という医師としての一つの専門性を決めることは、難しい決断であるのも事実です。しかし、歯科医師になりたいと思う直感こそが非常に重要です。私の経験から言うと、医学部を卒業して専門分野を選択する時も、この直感こそが最終的には非常に重要になるからです。私は、医学部を卒業して形成外科医になりましたが、その理由は大好きな歯科学の先生方とチーム医療ができる専門科だからです。私は形成外科医でありますが、歯科医師であることに誇りを持っています。他の形成外科医とは完全に違います。結局私は、今でも高校卒業時に歯科医師になりたいと思った気持ちのままでいるのです。歯科医師の強味は、口腔という特定臓器を持ち、虫歯をはじめとする特定疾患を最初から持っていることです。形成外科医は、歯科医師や眼科医などと違って特定臓器を持っていません。すなわち特定臓器、特定疾患を持つ利点は将来的に非常に大きいのです。歯科医師になりたいというあなたの直感を信じて、ぜひ歯学部に入学して共に学ぶことを楽しみにしています。肢があります。私は北大の歯学部を卒業して口腔外科医として臨床に従事しました。卒後8年目、双子を出産後臨床に復帰した後に留学する機会に恵まれました。当時1才になったばかりの子供達を連れて夫とともに渡米しました。学術振興会の海外特別研究員に採用して頂き、ハーバード大学医学部でがんの血管に関する研究を4年間行いました。帰国後歯学部に戻ってからも、一貫して血管を特異的に攻撃することによるがん治療薬の開発を目指す研究を行ってきました。現在、招待講演や学会発表において私達の研究を紹介する多くの機会を頂き、また国内外の多くの先生方との共同研究も進んでいます。研究は決して思ったとおりに進むばかりではありませんが、その代わり仲間との白熱したディスカッションや、予想外の結果が出たときの驚きや喜びを共有する楽しさもありエキサイティングです。私のこれまでのキャリアを振り返ると決して一本道ではなく、一時期、回り道をしたと感じたこともありました。しかしながら、今は臨床経験、留学や子育ての経験全てが自分の仕事に大いに役立っているといえます。時に方向転換しながらもその時々で一生懸命やっていれば道は開けます。長い人生の中では仕事のペースが落ちるときもあるかとおもいます。でも、「辞めた」と投げ出してしまえばゼロになってしまいます。後輩の皆さんにはどんな選択肢を選ぼうと、ぜひともキャリアを継続してほしいと思います。皆さんが活躍できる場が広がるように応援したいと思います。まずは北大でのキャンパス生活を大いにエンジョイしてください!21From Old Boys & GirlsOB北大で学び前進しよう ���������16期(昭和63年卒) 長野県出身 北海道医療大学 教授村田 勝受験生の皆さん、青春を過ごし人生を学ぶ場として北海道大学は素晴らしい。かけがえのない人生の起から承のス先輩からの一言Voice

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