北海道大学工学部のすべて 2021-2022
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School of Engineering, Hokkaido University 2021-20223ナノメートル33│私はAppleで、さまざまな製品の開発に携わっています。Appleは世界的にインパクトのある製品を数多く提供し続けています。その開発の過程で直面するさまざまな問題解決のための考え方は、大学院の研究を通して自然と学んでいたように思います。在学中は超低消費電力で動作する半導体LSIの研究をしていました。大学院での研究は答えが一つでは無く様々な角度から問題解決の手法や新しいアプローチを自由に提案することができます。世界で誰も提案していない問題解決方法や新しいアプローチをひらめいた時の達成感は何ものにも代えがたい経験です。ぜひ皆さんも、研究の世界に飛び込んでみませんか。就職後のみならず、今後の自分の人生を大きく変える経験になると思いますよ!電気電子工学コース研究室紹介集積電子デバイス研究室集積アーキテクチャ研究室電子材料学研究室集積ナノシステム研究室ナノ電子デバイス学研究室ナノエレクトロニクス研究室http://www.nano.ist.hokudai.ac.jp/nano/上野 憲一さんApple2007年3月 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻       修士課程 修了2010年3月 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻       博士後期課程 修了スマートフォンなど電子機器の中では、原子百個程度の大きさしかない電子デバイスが動いています。本研究室は半導体ナノワイヤを軸に、低消費電力電子素子や高効率太陽電池など、省エネルギー社会に寄与する革新的デバイス技術を作り出すことを目指しています。■主な研究テーマ●結品成長による半導体ナノ構造の作製と評価●次世代超低消費電カナノワイヤトランジスタ・デバイス▶半導体ナノワイヤアレイ教授 本久 順一|准教授 冨岡 克広ハードとソフトの融合による高度情報処理アーキテクチャの創成客員教授 本村 真人│准教授 高前田 伸也大量のデータをリアルタイムで処理することにより、新たな社会的価値を生み出すことができます。本研究室では、発展する情報科学と連携して、ソフトウェアの柔軟性とハードウェアの高速性を併せ持つ、応用指向の情報処理アーキテクチャの研究を行います。■主な研究テーマ●回路構成を利用時に変更可能な「やわらかい」数百個の原子からなる大きさ数ナノメートルの分子状の電子ナノ材料を作り出します。プラズマプロセスを利用した素子化の研究も行います。そして、このナノ材料に一つの電子を単位とする情報を書き込み、光の情報に変換して光通信ネットワークに送り出します。■主な研究テーマ●電子ナノ材料の合成●電子と光の情報を変換する半導体ナノ材料●半導体量子ドットを用いた超低消費電力の発光ダイ▶やわらかいハードウェアFPGA▶左:作製したナノ材料の電子顕微鏡写真、輝点の一つ一つが原子です 右:ナノ材料を用いたレーザ素子の模式図ナノメートル(10-⁹m)のスケールで構成される半導体ナノデバイスと回路技術を融合した省エネかつ学習などの新機能を持つ「未来の情報処理システム」の創出に挑戦します。物理数学・回路/デバイス工学・情報学の領域を広く見渡し、材料やデバイスの本質を理解して回路システムに利活用する研究を行います。■主な研究テーマ●電子や分子一つの動きを制御して情報処理を行う単一電電子のスピン(小さな磁石としての性質)を利用して情報の演算や記憶などを効率的に行うことができるデバイス(回路部品)や集積回路の研究を行っています。この研究は、消費電力の少ない電子機器や感度の非常に高い超小型磁気センサーの実現に役立ちます。■主な研究テーマ●電源を切っても記憶情報が失われない不揮発性走査型プローブ顕微鏡技術を応用した原子分子レベルのスピン計測操作技術やカーボンナノチューブなどを応用したセンサの開発、スピン干渉によるスピンエレクトロニクスの基礎研究などをすすめ、原子分子レベルから新しいエレクトロニクスの開拓を目指します。■主な研究テーマ●スピン分解走査型プローブ顕微鏡の開発と原始▶マグネタイト表面の計測システム教授 浅井 哲也|教授 赤井 恵教授 植村 哲也|准教授 山ノ内 路彦教授 末岡 和久│准教授 古賀 貴亮│准教授 アグス スバギョ│助教 八田 英嗣▼ナノ、回路からシステムへ▲電子スピンを利用した回路素子の構造│卒業生からのメッセージhttp://linda.ist.hokudai.ac.jp/ハードウェア・FPGA●3次元集積技術を生かしたディープニューラルネットワークLSI●ビッグデータから賢く情報を取り出す知的情報処理アクセラレータ●ネットワーク上を流れてくるデータを直接処理するストリームデータ処理ハードウェア●やわらかいハードウェアの最大性能を引き出すソフトウェアによる高位設計技術https://www.ist.hokudai.ac.jp/labo/processing/一つの電子に情報を書き込み、光で伝える教授 村山 明宏│准教授 菅原 広剛│准教授 樋浦 諭志オードやレーザ素子●プロセスプラズマのモデリングと計算機シミュレーションhttp://linas.ist.hokudai.ac.jp/子/分子回路や、ナノスケールのメモリ素子の回路応用●人工知能など、現代の計算機とは根本的に動作原理が異なる演算方式とそれに必要な回路/デバイス融合技術●ハードウェア(マイコン・FPGA)とソフトウェア融合による人工知能(エッジAI)の新規アプリケーション開拓http://www.ist.hokudai.ac.jp/labo/nanodev/index.htmlスピンが切り拓く新しいエレクトロニクスメモリー素子(強磁性トンネル接合)●論理機能を柔軟に変更できる論理回路に適したデバイス(スピントランジスタ)●ナノテクノロジーを活用した超小型磁気センサー●電子や原子核のスピン状態を活用した固体量子計算機レベルのスピン操作●カーボンナノチューブのバイオセンサーヘの応用●半導体量子スピントロニクスデバイスの研究●単分子薄膜の動的な性質に関する研究http://www.rciqe.hokudai.ac.jp/labo/ied/index.html革新的な半導体技術で省エネルギー社会に寄与の研究開発●高効率半導体ナノワイヤ太陽電池の研究開発●半導体ナノ構造の集積化技術の開発未来へと続く道は、研究室から始まる。光を利用したテクノロジーを学ぶ。まったく新しい集積回路を実現する。電子デバイスをさらに進化させる。さあ、エレクトロニクスの未来へ。回路とナノデバイスを融合した未来の情報処理システムを創る原子レベルの計測操作で未来を拓く世界レベルのエンジニアを目指してLaboratoryinformation未来を拓く知が集まる未来に挑む先輩がいる

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