北海道大学工学部のすべて 2021-2022
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School of Engineering, Hokkaido University 2021-202253│まで当たり前だったこと」が大きく見直され、日々新しい発見がなされています。機械知能工学科では、機械・宇宙・エネルギーなど幅広い分野において最先端かつ独創的な研究が行われています。私が学生時代に学んだことも現在の業務に活かされており、その知識を元に新しい技術の開発に取り組んでいます。皆さんがこれから北大で学ぶであるだろう多くの知識や経験が、当たり前を変える‘新しい力’となり、より良い社会を実現するための糧となることを期待しています。機械宇宙工学専攻 計算流体工学研究室https://cfml.eng.hokudai.ac.jp/■主な研究テーマ●ハイ・パフォーマンス流体解析技術(FrontFlow/red, RG-FaSTAR など)の研究開発●ガスタービン燃焼器の乱流火炎シミュレーション●ロケットエンジン超臨界圧流体・燃焼解析●自動車エンジン燃焼解析●惑星大気突入機の空力・空力加熱解析●航空機・自動車の非定常空力シミュレーション●燃料電池・気液二相流の数値解析モデル 機械システムコース研究室紹介人間機械システムデザイン専攻 マイクロバイオメカニクス研究室 機械宇宙工学専攻 宇宙環境応用工学研究室http://lsu-eng-hokudai.main.jp/人間機械システムデザイン専攻 マイクロエネルギーシステム研究室https://MicroEnergySystem.eng.hokudai.ac.jp/https://mech-hm.eng.hokudai.ac.jp/~micro-nano/コンピュータで究める流れの奥義教授 大島 伸行│准教授 寺島 洋史│准教授 高橋 裕介身近にありながら未知の現象を数多く含む流れ現象を対象に、高性能コンピュータを用いてその物理メカニズムを解明します。乱流、反応流、空力音響、連成解析、高温気体・高速流体等をキーワードとして流れの数値シミュレーション技術を開発し、日本のものづくりに貢献します。▶航空機表面圧力分布の計算結果小型ロケットの開発によりロケット実験による宇宙工学研究を小規模化し、我が国の宇宙技術開発の基盤を強化します。また、相乗りで打上げられる超小型深宇宙探査機用のキックモータを全国の研究者に提供する拠点となり、宇宙探査の未来を切り拓きます。■主な研究テーマ●無火薬式小型ロケット「CAMUI型ハイブリッドロケット」の開発●革新的ハイブリッドロケット「端面燃焼式ハイブリッド分子スケール、マイクロスケールの流れ・光の伝播の素過程に注目し、その物理機構を精緻な実験、数値シミュレーション、数学的理論解析などを用いて解明します。得られた知見を用いて、新しい技術の開発を目指す先端的な熱流体力学に取り組みます。宇宙利用の未来を切り拓く教授 永田 晴紀│助教 脇田 督司熱流体力学のその更なる先を究める教授 渡部 正夫│准教授 小林 一道│助教 藤井 宏之の打ち上げの様子▶蒸気‐液界面の先端的解析モデル微小重力・弱重力閉鎖空間での火災安全に資する基礎研究を通じて、安全・安心な有人宇宙活動の展開を積極的に支援します。微小重力場などの特殊場での極限燃焼現象の観察などを通じて燃焼現象の基礎物理を理解し、身近なエネルギー問題を解決します。■主な研究テーマ国際宇宙ステーション(ISS)を利用した宇宙用材料の火災安全性の評価に関する基礎的検討 ●エネルギーキャリアの利用技術に関する研究 ●噴霧燃焼数値シミュレーション用の燃料液滴蒸発モデルの開発 ●固体燃料燃焼数値シミュレーション技術の高度化に関する検討 ●熱的擾乱が与えられた際の燃焼不安定性に関する基礎研究 ●リチウムイオン電池の火災安全性に関する検討▶2021年から本研究室が中心となって提案した火災基礎実験を実施してい原子・分子スケールから、工業製品などのマクロスケールまであらゆる分野の熱の伝わり(伝熱)を制御します。超小型人工衛星の熱設計、低動力と伝熱促進を両立する熱交換器の開発、マイクロスプレーによる温度制御、マイクロスケール相変化物質を利用した熱移動制御、生体内熱移動センシングなど、幅広い分野の伝熱問題を解決します。■主な研究テーマ●超小型人工衛星の熱設計・熱解析●伝熱促進を目的とした種々の対流伝熱解析●気液二相流のシミュレーション●マイクロスケールの相変化現象の解明と 熱エネルギーの貯蔵・移動制御材料力学や流体力学などの学問分野を基盤として、生命現象と力学環境のかかわりについて最先端の工学・生化学技術を駆使した研究を展開し、当該分野における普遍原理を探求するとともに病態原因の解明や医学分野への応用を目指しています。■主な研究テーマ●細胞の力学特性計測と力学応答機構の解明●マイクロマシニング技術による細胞バイオメカニクス計測●マイクロマシニング技術による最先端バイオチップの開発●Tissue Engineering応用細胞バイオメカニクス研究●有限要素法解析による細胞バイオメカニクスの数値計算る国際宇宙ステーション(写真提供:NASA)佐久間 渉さん三菱重工業株式会社 エネルギー・環境ドメイン 原子力事業部2011年3月 工学部 機械知能工学科 卒業2013年3月 大学院工学院 エネルギー環境システム専攻 修士課程 修了宇宙利用の未来を支える教授 藤田 修│准教授 橋本 望ミクロからマクロまで熱の伝わりを制御する教授 戸谷 剛 │准教授 黒田 明慈│准教授 山田 雅彦工学部で生命現象を研究する教授 大橋 俊朗▲超小型衛星HIT-SATと熱解析例▶(左上から時計回り)細胞バイオメカニクス、数値計算解析、マイクロマシニング技術による細胞計測装置、最先端バイオチップ開発│卒業生からのメッセージ機械宇宙工学専攻 宇宙環境システム工学研究室https://mech-hm.eng.hokudai.ac.jp/~spacesystem/ロケット」の開発●超小型深宇宙探査機用ハイブリッドキックモータの開発●ハイブリッドロケットのノズル浸食データ取得手法の開発とノズル浸食機構の解明●燃料ポート出口に保持される安定燃焼火炎の燃焼機構解明●液体酸素と固体燃料の界面に形成される拡散火炎の機構解明▶CAMUI型ハイブリッドロケット機械宇宙工学専攻 熱流体物理学研究室https://tfp.eng.hokudai.ac.jp/■主な研究テーマ●分子動力学法による蒸発・凝縮現象の解明●分子気体力学を用いた界面現象の統一的解析●マイクロ・ナノ気泡水中を伝播する超音波の音響特性の解析●水蒸気・水混相噴流による革新的洗浄法の開発●ふく射輸送論を用いた生体内光伝播の解明とイメージングへの応用未来へと続く道は、研究室から始まる。宇宙利用の理想の未来図を描く。コンピュータで流体力学を究める。エネルギー問題の解決に挑戦する。夢のある未来を、実現させよう。修士課程修了後、三菱重工業株式会社のエネルギー環境ドメインに配属されました。三菱重工業は、船舶・エネルギー産業・航空機・ロケットエンジンなど多様な製品を扱う重工業メーカーです。私が配属された部署では原子力発電所の安全設計を行っており、原発の安全性向上のために日夜業務に励んでいます。2011年3月11日に発生した東日本大震災を発端とした福島第一原子力発電所事故以降、世界を取り巻くエネルギー産業は大きく変化してきました。原子力のみならず様々な分野で「今当たり前を変える新しい力Laboratoryinformation未来を拓く知が集まる未来に挑む先輩がいる未来に挑む先輩がいる

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