30資格・免許を活かして 北海道大学在籍中は英語学を専攻していました。中高で学んだ英語のちょっとした疑問や意外な一面を知ることができ、「面白い学問だな」とのめり込んでいきました。北海道大学文学部は教員の数が多く、バラエティに富んだ講義の中から興味・関心に応じたものを比較的自由に選択することができます。そのため専門性を磨くかたわら、幅広い教養を身に付けることができました。 なかでも演習で培った技術は、教員になった現在も役立っていると感じています。例えば、課題の論文の内容をまとめる資料作成と発表で培われた技術は、今受け持っている授業にもそのまま活かされています。また、ゼミや卒業論文で先行研究を読み漁った経験も教材研究に役立っています。 教職はとてもやりがいがある職業です。学級経営や校務分掌など多くの仕事がありますが、生徒と一緒にいる時間が一番長いのは、なんといっても授業です。教員を志す皆さんは、学問に真摯に向き合い、その専門性を高めていってほしいと思います。※本項は2019年6月現在のデータで構成しています。勤務先札幌市立もみじ台南中学校[国語科・英語科教諭]*大学で資格を取得後、ミュージアムに就職した現役の学芸員を対象にして、さらに専門的な学びの機会を提供 するプログラムです。2018年度から2020年度にかけて文化庁の助成を受け、北大文学部が主催して講義 や実習を実施しました。※本項は2019年6月現在のデータで構成しています。 問いを立て、考えを言葉にし、議論に参加していたゼミを今振り返ると、問題に直面した時に対処する姿勢を学ぶ機会に恵まれていたと感じます。学内に収蔵されている美術品の展覧会を企画運営するプロジェクトでは、様々な人と協働しながら、教室での学習を実践に移す貴重な経験を積むことができました。 今日のミュージアムでは、異分野との融合を試みた新しい企画や展示も実施されています。在学中に自らの専門と直結した美術館のみならず、自然史系博物館や科学館の学芸員を目指す仲間とともにミュージアムのあるべき姿を考え、課題に取り組むことができるのも、“総合大学のなかの文学部”で学ぶ大きな醍醐味です。 卒業後、美術館勤務を数年経て「学芸員リカレント教育プログラム*」で再び学び始めました。現職の学芸員を含む参加者が、各々の経験を持ち寄り研鑽を積む場は、とても刺激的です。日々の仕事の位置づけや意義を俯瞰的にとらえる視点を得て、職場での実務に活かしていきたいと考えています。勤務先本郷新記念札幌彫刻美術館(公益財団法人札幌市芸術文化財団) [学芸員]山田 のぞみ(やまだ のぞみ)さん文学部 哲学・文化学コース(平成23年度卒業)大学院文学研究科 思想文化学専攻[修士](平成25年度修了)大学院文学研究科 思想文化学専攻[博士](平成29年度修了)演習で培った技術を授業で応用異分野の仲間と学ぶ醍醐味を実感内田 俊樹(うちだ としき)さん文学部 言語・文学コース(平成28年度卒業)
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