北海道大学 教育学部 学部案内
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32【 仕 事 】4年制大学の教員として、主に幼稚園教諭・保育士を目指す学生に対し講義や実習指導を行っています。また、ときどき保育・幼児教育の現場にお邪魔して、調査研究を実施したり、現場の相談を受けたりしています。 3年次編入で北大教育学部に入学しました。きっかけは、他大学在学中に塾のアルバイトと生活保護受給家庭を対象とした学習指導員の有償ボランティア通して様々な境遇の子どもたちに関わったことです。 子どもたちの置かれている境遇の不平等を感じ、子どもの貧困や心理的ケアについて多角的な視点から学びたいという気持ちが強くなりました。 念願の編入が叶い、卒論では家族関係についての研究に取り組みました。 大学院に進学してからもそのテーマを引き継ぎ、親子関係に葛藤を抱えた青年が、一人暮らしをした後で親子関係をどのように捉え直していくのかを研究しています。 北大の教育学院は臨床心理士の受験資格が得られる第1種指定大学院。将来の選択肢が広がるという点でもともと魅力を感じていましたが、実際に大学院への進学を決めたのは3年次の夏頃です。心理学の勉強以外にも必修科目や課題に追われてあわただしく時間が過ぎていく中で、訓練や実習の環境が整った大学院で心理の専門性を磨きたいと考えました。 研究では、インタビューを通して自分では経験したことのない話に触れ、生き方や家族に対する自分の考え方の幅が広がっていくことに醍醐味を感じています。こうして拾い上げた個人の生き方や考え方が誰かの役に立てば、という想いを抱きながら、修士課程修了後は心理士の資格を活かして児童発達支援を行う民間の会社で働きます。 私は2度の大学受験、編入試験と3度の挑戦を経て北大教育学部で学び、大きな幸せを感じています。 高校生の皆さんも一度きりの人生、失敗を恐れずに自分のやりたいことにどんどん挑戦してください! 他の国立大学で小学校の教員を目指していたのですが、もっと人間のこころとその発達について考えてみたくなり、北大教育学部に3年次編入しました。 教育学部は、同級生のみならず、先輩・後輩・先生との関係が近い学部です。そうした環境の中で、他の学問領域を専攻している人たちから話を聞いたり、一緒に読書会をしたりしたことが強く印象に残っています。 研究や講義をするなかで、そこで得た広い視野が今の私を形作っていることを実感しています。 現在の研究のテーマの1つが、幼児期の友達関係の発達です。幼児といえども、実はなかなかシビアな人間関係に悩みつつ、園生活を過ごしています。そうした、初めて家族以外の他者と暮らす保育施設の中で築かれていく友達関係、またそれを支える大人の役割に関心をもって研究を進めています。 現場の皆さんと手を取り合い、よりよい保育・教育のあり方について考えていければと思います。 北大教育学部は、色々な領域の教員からじっくりと話を伺い、自分がどんなことに興味関心があるのかを深く追求できる場所です。ぜひ、北大教育学部でしか味わえない学びを経験していただければと思います。北大教育学部から大学院教育学院へ進学吉武 もにかさん 教育臨床心理学ゼミ(2019年度卒業)北海道大学大学院教育学院(修士課程2年)北大教育学部→大学院教育学院→研究者に及川 智博さん 乳幼児発達論ゼミ(2013年度卒業)北海道大学大学院教育学院修士課程(2015年度修了)勤務先:名寄市立大学保健福祉学部社会保育学科 講師◀ 卒業論文の  発表会ゼミのノート▶▲調査用カメラとノート環太平洋乳幼児教育学会 ▼自分が抱いてきた疑問を解決していくワクワクできる研究多様な専門領域に触れ広げた見識が研究者としての自分を形作っています

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