北海道大学 法学部 2023
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准教授馬場 香織①比較政治、ラテンアメリカ政治②・③比較政治学は、各国の国内政治についてさまざまなアプローチから分析を行う学問ですが、M.ウェーバーの議論を参考にして言えば、その醍醐味は、現実から距離を置きつつも、現象を概念や理論と突き合わせることで整理し、それによって現実の認識を助けることにあるのだろうと、個人的には思います。北大法学部で皆さんと「世界の見方」について語り合えることを楽しみにしています。教授山崎 幹根①地方自治論②ふつうの法学、政治学は国家を単位としていますが、地方自治論では、市町村や都道府県の政治・行政を対象にしており、自治体ごとの多様性や変化がなぜ生じるのかを考えます。国レベルの政治・行政との違い、イギリスやアメリカとの違い、制度のタテマエと現実との違いを、いろいろな見方に立って考えます。③いままでの勉強とは違い、現実の政治現象と向き合いながら、自分で答えを探し出す面白さを実感してください。准教授 小浜 祥子①アメリカ政治外交史②アメリカの政治・外交(例えば、なぜある政策が選択されるのか?)や安全保障(なぜ戦争が起きるのか?など)について研究しています。③大学は、見聞を広めつつモノを考える力を育てるところ。といっても具体的に何をすればいいのか、案外、誰も教えてくれない。皆さんがこれらの力を養えるような授業やゼミを提供できるよう、頑張ります。教授権左 武志①西洋政治思想史②私たちの政治的な判断や行動を根本で基礎づけている思想は何なのか、そうした政治思想はいかなる歴史の中から形成されてきたのか、を探るのが政治思想史です。過去の歴史から学ぶことにより現在の政治現象をより良く理解したい、そして現実に見られる多くの可能性の中から選び取る思考力・判断力を身につけたいと願う方は、是非私の授業に参加してみてください。③北大の政治学は、時流に流されない最先端の研究成果を皆さんに提供します。教授宇野 二朗 ①行政学②一見すると存在して当たり前の公共サービスが誰によってどのように運営されてきたのかを、行財政制度とその運用を観察することを通じて検討しています。③どこにどのような時代に生まれても、それがどのような場所であっても、住みたい場所に住み続けられる活力のある社会であるためには、どのように行財政を運営すればよいでしょうか。一緒に考えてみませんか。教授中村 督①ヨーロッパ政治史・社会史②とくにフランスの政治や社会を歴史的な観点から研究しています。③といって、研究の動機を聞かれると、「楽しいから」と答えたくなるときがあります。そもそも何を研究するにせよ、政治と無関係な事象はほとんどなく、同様に歴史と無縁な現象も想定しにくいと思います。その意味では、政治学(政治史)はとても柔軟な分野です。熱意はあるけれど、なかなか関心が定まらないという方も歓迎されます。一緒に勉強できるのを楽しみにしています。教授岩谷 將①中国政治史 ②20世紀の中国の歴史について研究しています。歴史を通じて現在を再発見する面白さを伝えたいと思います。③盛年不重來 一日難再晨 及時當勉勵 歳月不待人教授眞壁 仁①日本政治思想史②17世紀以降の日本の政治思想史を、他の政治文化圏との比較のなかで学んでいます。③政治思想史の研究は、なにを対象に思想を分析するかでかなり趣きが異なります。単なるエピソード紹介や印象論で終わらせないためには、資料を読み込み、いくつかの鍵概念を探り出し、それらを比較し関連づけ、問題構造を精緻に分析することが必要です。そのようなテクスト精読の訓練を受けることができなかったなら、きっと大学生活の意義は半減してしまうでしょう。准教授村上 裕一①行政学②社会がどのような仕組みになっているのか、なぜそのようになっているのか、社会問題をどのように解決していくべきかについて、学生さんにも自分自身の問題として一緒に考えてもらうようなスタイルの講義・演習になるよう心掛けています。③北大法学部は、じっくり法学・政治学を学び、自分の興味関心で考えを深めるのに適した場所です。主体的な学生さんを歓迎します。准教授土井 翔平①国際政治経済学②国際的な経済関係(貿易や投資)の発展は国家間の政治関係や我々の生活に良い影響をもたらすのかどうか、といったことを研究しています。③政治学は懐の大きな学問です。国内政治も国際政治も学ぶこともでき、歴史や思想に学ぶこともあれば数学やデータ分析を使うこともあります(ちなみに僕は後者です)。必ずお気に入りの政治学が見つかるはずなので、楽しみにしていてください。一緒に研究してみたいという方も大歓迎です。准教授前田 亮介①日本政治史②近現代日本の政治史を、中央と地方の関係性や国家と市場の関係性の側面から勉強しています。③歴史を学ぶことは、複雑さへの感度を養うことです。過去に起きた事実の束を、自分の既存の認識枠組みを補強する方向で選好・解釈することなく、むしろ自分を含めた現在への不断の批判の契機として内面化していくことに、歴史研究の緊張感が存在します。そのような皆さんの知的好奇心を刺戟する授業を、心がけていきたいと思います。教授桑原 朝子①日本法制史②法は、それを支える人々の意識がなければ社会の中で機能せず、そうした意識は、とりわけ文学によって養われると言えます。主に前近代の日本を対象に、漢詩や俳諧、浄瑠璃等の分析も行いつつ、法を支える意識がこれらの文学を通じてどのように形成されるのか、日々探究しています。③大学時代は多くのことに挑戦し、豊かな感性と柔軟な思考力を養ってください。北大法学部は、それを可能にする環境だと思います。17基礎法学系

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