北海道大学 法学部 2023
2/28

北海道大学法学部長小名木 明宏ONAGI AkihiroMessage from the Dean 大学ではどのような勉強をするのでしょうか。おそらくこれが、皆さんが一番知りたいことなのではないかと思います。高校までは、クラスごとの教室で、自分の座席に座り、同じ仲間と朝から夕方まで授業を受けることの繰り返しというのが一般的です。しかし大学では、同じ時間帯に、違う教室で、違う授業があり、自分の興味に従い、自分の判断で授業を受けるというスタイルになります。このように大学での勉強スタイルは、高校までのそれと全く異なります。 それでは大学では何を勉強するのでしょうか。このパンフレットを手にしている皆さんは法学部に興味があるのだと思います。法学部では、法と政治、つまり、社会のしくみについて、また、そのあり方について勉強します。確かにこれは高校までで勉強した「現代社会」に近いものです。しかし、大学での勉強は、教科書から与えられるものよりは、実際に起こっている社会的事象を素材として、さまざまな視点から問題を分析し、検討するものになります。つまり、知識を得るためというよりは、むしろ、ものごとの考え方を習得することに重点を置きます。このような学習方法は、日本の学校教育。とりわけ義務教育で一番行われていないことであり、大学での勉強が高校までのそれとは全く異なるものであるといわれる所以です。 それではなぜ大学で勉強するのでしょうか。高い学費と4年間という時間を費やし、何が得られるのでしょうか。それは幅広い知識と教養を身につけて、それを応用する能力、法学部ではリーガルマインドを養うためです。そして、自分の専攻する分野のプロフェッショナルの卵になり、社会へ出て広く活躍することを目指します。 卒業後の進路イメージとしては、裁判官、検察官、弁護士といった法曹、また、法律学・政治学の知識を生かした国家公務員、地方公務員、企業法務が挙げられます。さらに、法学部で獲得できるリーガルマインドを活かして、さまざまな業務につく場合もあります。もちろん、大学院に進み、その分野でのプロになることも可能です。 もちろん、4年間の学生生活は、授業を受けて、専門書とにらめっこしているばかりではありません。友達との交流も重要な要素になります。同じ教室での授業を受けて、学問的な議論をするのみならず、同じ趣味を通じて友情を通わせる楽しいキャンパスライフも大学生には欠かせません。そしてお互いが尊重し合うことによって、豊かな人間性を育み、立派な社会人として翔び立つ準備をする期間なのです。 かつて、クラーク博士は「大志を抱け!」と呼びかけました。みなさんがこの呼びかけに答え、北海道大学法学部で実りある学生生活を送られるよう切に希望します。01ようこそ北海道大学法学部へ

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る