岩田智教授 ←また、特定国の企業の製品であっても、製品によっては、別の国の企業に生産を委託していることもあります。そのため、もしそれらの製品に関して、問題を抱えておりその原因を調べたい、あるいは優れているのでその要因を知りたいといった場合には、どこの国の企業が、どこの国で、どのように生産したのかを分析する必要があります。すなわち、国内および海外も含めたグローバルな視点から企業行動を分析することが必要になります。企業としては、国内企業であっても他の国内企業や国内製品のみならず海外から入ってきた外国企業や外国製品と競争しなければなりません。また、海外に進出した国際企業であれば進出先で外国企業や外国製品と競争しなければなりません。企業は、国内のみならず海外でも研究開発、生産、販売といったさまざまな活動を展開しています。その際には、海外の状況に合わせた活動も必要になります。売上や利益の多くを海外での活動から得ている企業も増加しています。皆さんが、将来、企業に就職した場合には、このような企業行動の担い手になるかもしれません。その際にグローバルな視点から企業を分行析す動る●企業行動論 プロフィール 北海道出身。1991年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(経営学)。香川大学経済学部助教授、北海道大学大学院経済学研究科助教授を経て、2007年より現職。主要著書、論文に『グローバル・イノベーションのマネジメント』中央経済社(日本経営学会賞受賞)、“An Analysis of Global R&D Activities of Japanese MNCs in the US: From the Knowledge-Based View,”(共著) IEEE Transactions on Engineering Management(IEEE賞受賞)など。17皆さんは、消費者として、日本企業や外国企業が生産した製品(あるいはサービス)を←目にしたり、利用したりしていると思います。
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