北海道大学 文学部 2024
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試験の内容はコース・研究室で異なる。指導教員と相談して卒業論文の題目を決定。論文作成もいよいよ追い込みへ。学位「学士(文学)」を授与。3 月2 月1 月9 月8 月7 月時期は実習先により異なる。学芸員資格を取得する者のみ対象。6 月時期は実習先により異なる。教員免許を取得する者のみ対象。5 月4 月卒業決定者発表・学位記授与式・卒業祝賀会大学院入試(後期)卒論口述試験卒論提出卒論題目届を提出大学院入試(前期)博物館実習教育実習卒論指導教員の決定26指導教員からの評価野村 益寛 教授(まつむら だいじゅ)言語・文学コース(令和元年度卒業)松村 大寿 さん卒論の成功のカギはテーマ選びにあり。そのためには日頃から「なぜだろう?」とアンテナを広く張ること。この点でこの卒論は最初から成功が約束がされていました。卒論テーマ[テーマを決める] きっかけは、日本語の「雨に降られた」を英語では“It rained on me”と表すという記述を見つけたことです。同じ事態を日本語では「降られた」という受身、英語では前置詞onという全く異なった形式で表していることに強く興味を引かれ、先行研究があまり進んでないことが判明したので、自分で「前置詞onの迷惑用法」について明らかにしたいという気持ちに駆られました。言語科学研究室[情報を集める] 6月から9月末までは先行研究の収集・分析を行い、仮説を立てる助走期間。10〜11月には用例の収集と英語のネイティブスピーカーを対象としたアンケート調査を行い、11〜12月で一気に執筆作業を進めました。先行研究の論文にonがもともと「接触」の意味を持つところからいくつかの意味を経て「迷惑」の意味が生じると指摘するものを見つけましたが、その複雑な経緯かつ思弁的な説明に苦慮していたところ、指導教員の野村先生から「それぞれの意味の発生年代を調べてみたら?」というアドバイスをいただいたことで客観的な証拠付けができました。[書き上げる] 論文執筆というと自分一人で進めるイメージがありましたが、実際には学生同士の意見交換や先生方への相談が頻繁に行われ、それらが論文の完成度を高めることがよくわかりました。英語学の卒業論文は英語で書くのが慣例となっているため、執筆は想像を超えた大変さでしたが、その分完成した時の喜びはひとしお。見返してみると理由付けやアンケート調査の分析に改善すべき点があり、さらに扱えきれなかった話題もあるので、今後の研究のモチベーションとなりました。case 02An Analysis of AdversativeUsage of English Preposition ON(英語前置詞 on の迷惑・不利益を表す用法に関する分析)4年次のスケジュール10 月11 月12 月

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