北海道大学 文学部 2024
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30資格・免許を活かして※本項は2023年6月現在のデータで構成しています。 高校の授業でイスラームの虜となり、北大文学部で歴史学を専攻しました。東洋史学研究室は先生や学生との距離感が非常に近く、ゼミや卒論ではどんなに小さなことでも丁寧にアドバイスをくださるなど、東洋史学ひいては歴史学を研究するには充分すぎる環境が整っています。ゼミのレジュメ作成や卒論執筆を通して「わかりやすく」「伝わる」ための書き方やプレゼンの方法を学ぶことができました。このことは教員となった現在、授業や校務分掌・学年の会議など多方面に渡って、いかんなく発揮できていると感じます。 近年、「教職はブラック」という言葉を耳にします。やりがいだけでは片付けられないことも否定できません。しかしそれでも、生徒と共に、ときには生徒から学ぶことで得られるものは自分の人間性を高めてくれる価値ある職業だと考えています。授業準備は教材「研究」というくらいですから、北大文学部で培える飽くなき「研究者マインド」を持って現場に来てくれることを心より願っています。勤務先茨城県立古河第一高等学校[地歴・公民科教諭]撮影:成田写真事務所※本項は2023年6月現在のデータで構成しています。 芸術学研究室のゼミは、作家や作品について自分の考えを時間をかけて言葉にし、先生や仲間からのフィードバックを受けとめ修正を繰り返す実践の場でした。学芸員の仕事もまた、自分の思考を言葉にして相手に伝える作業の積み重ねなので大きな糧になっていると感じます。道内外の美術館で勤務する先輩方との交流も多く、とても刺激を受けました。修士課程在学中は留学制度を利用し、ドイツで1年間過ごしました。悪戦苦闘して外国語と向き合った経験は、海外の作家とのコミュニケーションもときに求められる現在の仕事にもつながり、挑戦してよかったと感じています。 学芸員を目指す方は、大学での研究に真摯に取り組みつつ、例えば芸術を学ぶ場合は、色々な展覧会に足を運んで生の作品に触れ、アートの現場でのボランティアなどを経験したりして、大学の外の世界に積極的に関わって自分の興味関心を深めていく姿勢が大切だと思います。人との出会いから受けた刺激を大切にして、充実した大学生活を過ごしてください。勤務先弘前れんが倉庫美術館 アシスタント・キュレーター [学芸員]研究者マインドを今は教材研究に自分の思考を伝える実践の場海野 翔太郎(うみの しょうたろう)さん文学部 歴史学・人類学コース(令和元年度卒業)北海道大学大学院教育学院 教育学専攻 修士課程(令和3年度修了)佐々木 蓉子(ささき ようこ)さん文学部 哲学・文化学コース(平成28年度卒業)人文学専攻 博士後期課程在籍中

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