北海道大学 文学部 2024
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32社会で活躍! 卒業生 大学では思い切り好きなことを学ぼうと、小学生の頃から興味のあった歴史学が充実している北大へ。北大の日本史学研究室は時代ごとにゼミが分かれており、私は小倉真紀子先生のもと、「平安時代の伊勢斎宮」をテーマに取り組みました。数々の史料をもとに斎宮の選定例や背景を検証し、これまでの通説が正しいと言えるのか、自分なりの結論を導き出しました。 現在携わっている会社の業務も推測や憶測ではなく、正しく事実を認定し、法律や約款に基づいて適正に保険金をお支払いすることが重要です。大学時代に学んだ「なぜ」を大切にする姿勢や誰かの意見や考えに頼るだけでなく「気づき」のアンテナを張ること、根拠をもって自分なりに考えを持つことの重要性が、いま社会人になった私の「主体的に行動する」基本指針の土台となっています。 大好きな学問に真摯に向き合い、たくさんの友人と一緒に充実した学部生活を送った日々は、人生の大きな財産です。これから入学される皆さんも楽しく、素敵な学生生活を過ごせるよう心から応援しています。お仕事紹介:ODAを経て中国との経済交流を担当 自分の生まれ育った北海道をもっと元気にしたくて北海道庁を希望しました。入庁後、4年目から外務省に出向しベトナム、インドネシアなどへのODAを担当し、上海総領事館にも勤務しました。今は道庁に戻り、経済部国際経済課で中国との経済交流、主に道産品の中国への輸出拡大に向けた取組みを担当しています。勤務先東京海上日動火災保険株式会社北海道損害サービス部 旭川損害サービス課お仕事紹介:目に見えない保険を形にしてお届け 形のない商品を扱うからこそ「人と人」の信頼関係に重きを置く金融業界に興味を抱き、きらきらと輝く先輩社員が多い当社に惹かれました。現在はお客様の自動車事故の対応を行う損害サービス業務に携わっています。目に見えない保険を形にしてお客様にお届けすることに非常にやりがいを感じています。 高校時代に体験授業で受けた東洋史学の吉開将人先生のゼミに魅了されて、北大文学部に進みました。入学してすぐに東洋史学の講義を一番前に座って受けたときの嬉しさは今も忘れられません。歴史学の他にも文化人類学や哲学、宗教学、心理学などさまざまな講義を受講しました。そこで養ったものは「人間ってこういうところがあるよな」とか「世界ってこういうふうになっているんだな」という自分なりの感覚です。仕事をしていると、日々課題にぶつかります。私の仕事は“人”との調整が主な仕事ですので、対応に客観的な答えがなく、自分の持つ情報や知識に基づき、都度、判断をする必要があります。その時に自分の考えを整理する軸として、自分なりの人間や世界に対する視座というものがあり、それは紛れもなく“人”に関する学問を修める文学部にいたからこそ養えたものだと感じています。 昨今は将来の就職を考えて文学部進学を迷う人も少なくないと思いますが、大学はまず学びの場であり、文学部はさまざまな“人”に関する知識が絡み合う面白い世界です。そこで得られるものは仕事を越えて、生きていく中で大切なあなたの軸になっていくと思います。勤務先北海道経済部経済企画局国際経済課齊藤 遼(さいとう りょう)さん文学部 歴史学・人類学コース(平成24年度卒業)※本項は2020年6月現在のデータで構成しています。※本項は2021年6月現在のデータで構成しています。事実を見定める歴史学の学びを保険業務に活用人生や世界に対する視座を養う文学部平岡 華歩(ひらおか かほ)さん文学部 歴史学・人類学コース(平成28年度卒業)

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