32社会で活躍! 卒業生 高校時代に関心をもった古代ギリシャ哲学を学ぶために、北大文学部に進みました。文学部では、古代から現代にかけての西洋哲学、倫理学、論理学、宗教学など、興味の赴くままに幅広く学ぶことができました。古代ギリシャ語などの言語の勉強は大変でしたが、憧れの哲学者たちの文章を彼らが使用していた言語でそのまま読めることは何よりの悦びでした。腰を据えて原典をじっくり読めたことや、哲学・倫理学の中でも異なる分野を研究している友人たちと専攻している時代も地域も超えて議論ができたことは、哲学倫理学研究室ならではの経験だったと思います。また、文学部で粘り強く考え抜いた経験は、社会人としての土台になっていると感じています。 社会人になってから「大学生のときくらい興味のあることを勉強すればよかった」という声を驚くほど多く聞きます。文学部での学びに興味がある方には、文学部だと自分の目指す職に就けないといった事情がなければ、文学部に進学することを強くお勧めします。一度きりの人生です。ぜひ、皆さんの興味関心を大切に、今後の選択をしていってください。お仕事紹介:ODAを経て中国との経済交流を担当 自分の生まれ育った北海道をもっと元気にしたくて北海道庁を希望しました。入庁後、外務省に出向しベトナム、インドネシアなどへのODAを担当した後、上海総領事館にて勤務。その後は道庁に戻り、経済部国際経済課を経て、総合政策部国際課と国際関係の業務、特に中国との交流を担当しています。勤務先デロイト トーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社お仕事紹介:M&Aに関するアドバイザリー業務に従事 キャリアの選択肢が多く、ライフイベントにも対応しやすい点に魅力を感じ、在学時より公認会計士を目指し、卒業後、無事合格。有限責任監査法人トーマツでキャリアを積み、現在デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に出向し、企業の合併・買収に関するアドバイザリー業務に従事しています。 高校時代に体験授業で受けた東洋史学の吉開将人先生のゼミに魅了されて、北大文学部に進みました。入学してすぐに東洋史学の講義を一番前に座って受けたときの嬉しさは今も忘れられません。歴史学の他にも文化人類学や哲学、宗教学、心理学などさまざまな講義を受講しました。そこで養ったものは「人間ってこういうところがあるよな」とか「世界ってこういうふうになっているんだな」という自分なりの感覚です。仕事をしていると、日々課題にぶつかります。私の仕事は“人”との調整が主な仕事ですので、対応に客観的な答えがなく、自分の持つ情報や知識に基づき、都度、判断をする必要があります。その時に自分の考えを整理する軸として、自分なりの人間や世界に対する視座というものがあり、それは紛れもなく“人”に関する学問を修める文学部にいたからこそ養えたものだと感じています。 昨今は将来の就職を考えて文学部進学を迷う人も少なくないと思いますが、大学はまず学びの場であり、文学部はさまざまな“人”に関する知識が絡み合う面白い世界です。そこで得られるものは仕事を越えて、生きていく中で大切なあなたの軸になっていくと思います。勤務先北海道総合政策部国際課齊藤 遼(さいとう りょう)さん文学部 歴史学・人類学コース(平成24年度卒業)※本項は2024年6月現在のデータで構成しています。※本項は2024年6月現在のデータで構成しています。粘り強く考え抜く力で社会人の土台を築く人生や世界に対する視座を養う文学部椎名 彩(しいな あや)さん文学部 哲学・文化学コース(平成30年度卒業)
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