茨城大学農学部2020
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5教員紹介▶設問1 先生の研究について教えてくれませんか?  私たちが毎日食べている食品には「栄養機能」「感覚機能」「生体調節機能」という3つの機能があります。これらの機能のうちどれを最重要視するかは、時と場合によって異なりますが、この3つの機能がすべて高い食品があれば理想的です。そこで私達の研究室では、栄養価が高く、将来の人口増加に伴う食糧難に対処できる重要な食料資源といわれる「大豆」と糖尿病緩和作用を有するイヌリンを多量に含むことで有名な「菊芋」に注目し、それらに含まれる美味しさにかかわる成分や私たちの体に好影響を及ぼす成分を見つけ出し、その化学構造や作用メカニズムの解明を行っています。さらにそれらの成分の組成や含量を人為的にコントロールし、美味しくて健康に良い食品を開発することによって、食を通じて生活習慣病の予防に貢献することを目指しています。▶設問2 先生が大学生のころ、研究者になりたいと思ったきっかけを教えてください  私は小・中学校・高校の生活を通して学んだ様々な経験(勉学、スポーツ、生徒会活動など)から大学選択の時期には教員になりたいと思っていました。一方で、小さい頃から健康やスポーツに大変関心があり、これらには「食」が密接に関係していることを実感していたことから、大学で専門的に「食」について学んでみたいとも考えていました。そこで、大学では農学部の食糧化学科に進学し、「食」を学びながら教員を目指しました。その中で高校までの学びとは異なる「未知なるものを解明する研究」の面白さに心を惹かれていきました。教員採用試験を受けようとしていた修士課程2年目の時に教授から「教員は小・中学校・高校だけじゃないよ、大学もあるよ」と言われたのをきっかけに「研究を通した教育が実践できる大学教員」を目指そうと思いました。▶設問3 先生にとって茨城大学農学部って?  小さい頃からずっとなりたいと思っていた「教育職」と大学及び大学院の研究生活を通して是非従事してみたいと思った「研究職」という2つの夢を同時に実現させてくれた場所です。研究において新しい発見があった時に学生とともに喜び、研究がうまくいかない時に学生とともに本気で議論しあうことを繰り返しながら1年が過ぎていきます。「研究」と「教育」を同時に成し遂げることは大変なことですが、「学ぼうとする意欲のある学生」と常に一緒に活動できること、そして、学生が卒業していく際に「茨城大学農学部でよかったです」と言ってくれる時、なにものにも代えがたい幸せを感じます。このような研究を通した教育によって、社会におけるそれぞれの持ち場持ち場でリーダー的存在として自信を持って活躍できる学生を輩出していきたいと思っています。美味しくて健康に良い食品の開発を目指して白岩雅和教授

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