茨城大学理学部
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 子どものころから数遊び・算数が大好きで、そのまま高校生まで育ってしまった私。高校生の当時は、「将来は教員になりたいなぁ」と思い、理学部と教育学部のどちらに進むべきか悩んでいました。しかし、自分の好きな数学を深く学びたいという気持ちが勝り、茨城大学理学部数学・情報数理コースを志望しました。 大学で学ぶ数学は、高校までに学んできたものとは少し違い、微分・積分などの計算だけでなく、数や性質を一般化するといった、理論を突き詰めていくものもありました。最初は抵抗がありましたが、友人に助けてもらったり、教授に理論の先にどのような繋がりがあるかを教わったりするうちに、その魅力に惹かれていくようになりました。 私は小学生のころから理科科目が好きで、さらに当時テレビ放送されていたドラマ「ガリレオ」に憧れて、大学で物理を学びたいと思い物理学を専攻しました。たったこれだけの理由でしたが、学部時代は物理の基礎から発展、大学院では最先端の研究をすることができ、とても有意義な学生生活を送ることができました。 研究室では高エネルギー宇宙物理グループで放射線を見るカメラの開発を行っており、ここではデータの解析だけでなくハードウェアの開発も行うことができたため、4年生の時に研究室見学で入ろうと決めました。大学院に進学した理由としては4年生でできる研究には限りがあり、私はより深く研究を続けてみたいと思ったため同じ研究室で進学することを決めました。 また、学部卒業の段階で自分の研究の区切りが悪かったため、大学院へ進学しました。 そんな私は地元の市役所へ就職しました。現在は地元をPRしたり、様々なイベントを企画・運営したりといった地域振興の仕事をしています。「数学と全然関係ない仕事じゃん!?」と思う方もいるかもしれませんが、数学を学ぶ中で身についた「道筋を立ててものごとを考える力」は、仕事を効率的にこなしていく上でとても役に立っています。 今、これを読んでいる高校生の皆さんは、進路決めに四苦八苦しているかと思います。私は「将来を見据えて学部を選ぶ」のも大事ですが、「自分のやりたいこと・得意なことを伸ばせる学部を選ぶ」という考え方も持ってほしいと思っています。 教員になりたいと思っていた私も、結局は違う仕事に就いています。高校までとは違い、大学では県外からも人が集まりますし、サークルやバイトなど勉強面以外でも人と関わる機会が増えます。様々な価値観を持った人たちと出会える大学生活の中で、自分の将来像というのはいくらでも変わってくると思います。 自分の選択に後悔が残らないようにするためにも、「好きな学部を選ぶ」という発想も大事にしてくださいね。研究では実験装置が動かなかったり、データの解析やプログラムがうまくできなかったりと苦戦したことは数多くありましたが、学部4年から修士2年までの3年間で教授や先輩後輩の助けもあり、自分の研究を終えることができたので今としてはとても充実した研究生活を送れました。 また、私は授業や研究以外にも、サークル活動やアルバイトをしていました。サークルではそれぞれの学部や研究について励まし合ったり、アルバイトではお客様とのお話で日々新しい事や仕事についてのお話を聞く機会があったりと、学外での様々なコミュニケーションをとる機会が多く得ることができました。このおかげで自然とコミュニケーションを取ることができるようになり、就職活動での面接に活かすことができたと考えています。 大学生になるという事は勉強だけでなく、サークルやアルバイトなど色々な経験を積める時間を得ることでもあると思っています。茨城大学には全国から世界にかけて様々な学生が集まり、授業やイベントなどでコミュニケーションを取れる機会もあるので、是非茨城大学に来て充実した時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。富田 莞生2017年度学部卒2019年度博士前期課程修了静岡市役所勤務原田 幸征2019年度学部卒2021年度博士前期課程修了株式会社アウトソーシングテクノロジー所属・ホンダテクノフォート勤務卒業生の声

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