茨城大学 工学部 2023
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背後の構造は、もっと複雑な形をした物にも存在します。例えば、化合物の化学構造にも、背後に別の構造が隠れています。化合物の原子の並びにも規則性があり、その物質の性質と密接な関係があるからです。現在、研究室の学生と一緒に、化合物データの検索技術を研究しています。背後の構造を利用し、大規模な化合物データベースから条件に一致するデータを高速で検索する技術の開発に取り組んでいます。将来的にはこの技術が、新素材や新薬の開発に役立てばと思っています。Keyword物体検出モデルに対する転移学習複数色LEDを用いた海中光ワイヤレス給電通信技術VR技術を活用した三味線の学習支援システムの構築コンピュータソフトウェア 情報システム 情報セキュリティ 数理情報・人工知能 情報マネジメント衛星画像を用いた鉱物マッピング手法の研究画像認識AIを騙す敵対的画像生成攻撃の研究ブロック組み立て型の英作文ウェブアプリ15物体検出は画像の中から、所定の物体とその位置を検出する技術です。現在、ディープラーニングにより高精度に行えますが、新規の物体に対する訓練データの構築コストが高いという問題があります。ここでは既存のモデルを転用する転移学習の手法により、その解決を試みました。目に見える光(可視光)を用いてワイヤレス通信とワイヤレス給電を同時に実現する研究です。この可視光は電波と異なり海中においても減衰が少なく100m程度伝搬します。本技術により、海中センサや海中ドローンのワイヤレス化が期待されます。VRを用いて三味線の学習を支援し、民俗芸能の伝承に貢献する研究です。三味線の学習支援のため、構え方、撥さばき、運指、音など様々な技能を計測し、そのコツを解析します。さらに、解析したコツを学習者にわかりやすく提示するための手法について検討しています。人工衛星等に搭載した異種センサの観測画像を組み合わせることにより、資源探査で有用な広範囲かつ高精度な鉱物マップを生成する手法を開発しました。本手法を提案した修士論文と改良手法を提案した修士論文の各成果がそれぞれ国際光工学会SPIEの学術誌に掲載されました。AIによる画像認識技術は自動運転など様々な場面で応用されていますが、AIが判断を誤ると交通事故などの被害が生じる恐れがあります。人間の目には正常に判断できるがAIは高い成功率で騙せるような画像を生成する方式を考案することによって危険性を明らかにしました。単語ブロックを組み立てながら英作文できるウェブアプリを開発しました。ブロックとブロックをマウスで近づけたとき、プログラミング言語と同様の形式で定めた基本5文型の文法に合致する場合にだけブロックが結合するため、必ず正しい英文が組み立てられます。注目の研究化合物の背後に隠れた構造を探る卒業論文セレクション未来社会を創造するソフトウェア技術をもち、情報インフラやシステムを構築・運用できる情報専門技術者を養成藤芳 明生 教授数式 5+3×(4­2) を考えてみます。私たちはこれが正しい形の数式だと一瞬で判断できますが、同じ記号を並び替えた ×4)3+­5(2 を見ても無意味な文字列だと思うだけでしょう。このようなことは数式だけではありません。文字列は、表面上は一列に並んだ記号の列ですが、その背後にはもっと複雑な構造が隠れています。文章の意味も、背後の構造と密接に関係しています。修士論文セレクション大学院情報工学科情報工学専攻

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