岩手県立大学 入学案内2020
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教育・研究クローズアップ!高齢者の福祉・医療サービス利用のための外出支援策の創出と検証子ども家庭福祉社会福祉学部では、専門知識・技術を活かした様々な教育・研究活動に取り組んでいます。このような活動の中から3つの事例をご紹介。「皆で助け合っていく社会をつくる」ための学びにふれてみましょう。孤立を防止し、コミュニティを再構築することが専門の小川晃子教授は、大学に隣接する滝沢市川前地区の高齢者支援連絡会とともに、平成29年10月から、同地区の高齢者の外出支援を行っています。足腰の衰えや運転免許返納などで外出困難な高齢者が増えているという課題を解決するため、大学のボランティアセンター所有のワゴン車を活用し、自治会が毎月開催する「いきいきサロン茶話会」に高齢者を送迎する社会実験を実施。安全面を考慮して、運転手は宅配便のOBドライバーに委託しています。「送迎のおかげでサロンに参加する高齢者が増え、参加者も主宰者も喜んでいます」と老人クラブ前会長の東根弘子さん。小川教授は次のステップとして、「認知症で運転免許を返納した患者等の通院支援」に、岩手西北医師会などと連携して取り組んでいます。櫻幸恵准教授の専門である「子ども家庭福祉」とは、子ども及び子どもが成長する基盤である家庭を対象とした福祉のこと。実践研究では当事者参加型の手法を用いて子育て環境の改善に取り組んでいます。例えば、カナダの親教育支援「ノーバディーズ・パーフェクト・プログラム(NP)」により子育て中の親を主体とするワークショップを実施。また、地域では震災後の大船渡市で子育て当事者(親)・子育て支援者・高校生・市議・会社経営者などが参加するワークショップを開催、意見を取りまとめ「地域の子ども・子育て支援に関する提言」を市に提出。その結果、市の子ども・子育て支援事業計画に反映され、当事者参加による「大船渡市子育て支援ネットワーク会議」が開催されています。一方、「盛岡市ひとり親世帯の子どもの生活実態調査」でひとり親世帯の生活実態を明らかにするなど、幅広い活動を行っています。ワゴン車の送迎を利用してサロンに参加する高齢者を支える小川晃子教授(右)大船渡市での会議の様子(写真中央が櫻幸恵准教授)Faculty of Social Welfare26

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