岩手県立大学 入学案内2020
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Graduate School修了生Messageミクロとマクロの視点を大切にしながら、犯罪のない社会に近づけることが目標。なぜ人は犯罪に手を染めるのか、なぜ人々の間で対立や排除が起こるのか…。福祉分野は多岐に渡りますが、学部・大学院を通して研究を深めたのが、紛争、対立、包摂、統合、そして犯罪でした。私の仕事は、少年院や刑務所などで非行や犯罪をした人が再非行・再犯をすることなく、社会に適応するための教育やその他の支援を行うことです。これまで、少年院で法務教官、刑務所で教育専門官として、大学院で学んだ心理学や教育学などの知識を使いながら、対象者に生活指導をしたり、犯罪をしないための方法をともに考えたりしてきました。現在は、矯正管区という矯正施設の指導監督等を行う機関で行政的な仕事に携わっており、より広い視点で矯正の仕事に関わっています。そのような中で特に役立っているのは、物事をミクロな視点とマクロな視点でとらえ、多角的に考える力。対象者との直接的な関わり(ミクロ)と、施策の実施等(マクロ)の両方を踏まえながら、柔軟に思考する力が身についてきたように思います。今後もずっと追求してきた犯罪について、個人と社会の両面から向き合いつつ、自分なりの答えが見出せたらうれしいです。法務省 仙台矯正管区高たかはし橋 優ゆうき紀さん[平成23年3月博士前期課程修了]博士後期課程[定員]3名[取得できる学位]博士(社会福祉学)リカレント進学[実践と研究の円環性]総合研究|理論検証博士論文[社会福祉学]研究指導後期課程へ進学[相互関連性]後期課程へ進学…転入[学際性]総合福祉コース前期課程臨床心理コース進路指導コミュニティ志向科学的根拠の蓄積■博士後期課程…Ph.D.モデルに準拠する研究者養成研究方法の修得仮説実践型の理論構築研究指導合同研究ゼミ[関連する学問分野の統合]修士論文[社会福祉学]福祉実践分野[修士学位または専門職学位]修士論文[他大学における関連分野修了者]特定研究[計画・開発]特定研究[有効性の評価]学位論文候補者審査・研究実績評価博士前期課程と博士後期課程との連関❶多面的な社会福祉分野において、高度なコンサルテーション、リエゾン・コンサルテーションを行う能力を有する人材 ❷地域や行政に対して、福祉・心理・保健・医療分野でのシンクタンク機能を担うための能力を修得した人材 ❸岩手県立大学が位置する地域特性を活かし、わが国の同様の特性を持つ地域と連携し、さらには国際的視野に立ち、研究成果を築くことができる人材 ❹社会福祉に関わる実践領域、研究機関、教育機関において求められる研究能力と実践能力を兼ね備えた人材育成する人材像発展的な視野で研究と実践を結びつけ、福祉現場の課題に総合的にアプローチ博士後期課程では、「福祉コミュニティ」を構築するための研究開発と、実践理論・技法の研究に重点を置きます。多様化・複雑化する社会福祉ニーズをも踏まえた発展的な視点で研究テーマを構築し、実証的なデータと結び付けながら問題解決に導く理論を探求。具体的には、福祉現場の課題について、その発生プロセスの検証、対応する実践理論の評価、基礎となる研究理論の評価を基軸として、総体的に問題解決に取り組んでいきます。37Faculty of Social Welfare社会福祉学部・社会福祉学研究科

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