岩手県立大学 入学案内2020
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海浜植物の保全・学校教育土砂災害や洪水に関する防災教育自然災害科学や火山学、防災教育が専門の伊藤英之先生は、研究室の学生とともに、平成25年から岩手町の川口中学校で防災教育を実施しています。1年生は「災害を学ぶ」、2年生は「地域を知る」、3年生は「地域を守る」と学年ごとに教育目標を掲げ、ワークショップや体験を通して達成することが狙いです。この防災教育の特徴の一つに、学生が先生役となって中学生たちに教える点があります。リーダーの畠山大輝さん(平成30年3月卒業)は、「自分たちがゼミで学んだことを中学生向けに咀嚼して教えることは、学びの理解を深めることにもつながります」と活動の意義を実感しています。また、同中学校の3年生も町内の小学校に出向き、先生役となって防災教育の授業を実施しており、伊藤英之先生は「最終的には大学の関与なしで学校教員だけでも防災教育ができるようになること」を目指しています。国土交通省岩手河川国道事務所の協力による、降雨体験装置を使った防災教育の授業Education and Research植生学、植物生態学を専門とする島田直明先生は研究室の学生たちとともに、山田町、陸前高田市、野田村の小学校で「海浜植物の保全・学校教育」に取り組んでいます。これは、東日本大震災後から行っている研究「津波被災地の海浜植物の再生・復元」の一環のプロジェクト。被災地の砂浜で採取した種子を利用し、地元の小学生に苗をつくってもらい、復興工事終了後の砂浜に移植してもらうという活動を、各小学校の授業の中で展開しています。この活動は、小学生にとっては「地域の宝」「地域の環境」「植物」を同時に学べる場に、学生たちにとっては「教える体験」ができる場になっています。さらに、同様の取組を町内会やNPOと協働して実施している海浜もあります。最終的には砂浜が地域の人々の憩いの場になることを目標に活動しています。山田町立船越小学校の子どもたちと一緒に苗を植える、島田研究室の学生61Faculty of Policy Studies総合政策学部・総合政策研究科

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