岩手県立大学 入学案内2021
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福祉政策系・コミュニティ福祉系・臨床福祉系・生涯発達支援系・福祉心理系の5つの教育系に分かれる社会福祉学部。それぞれに特色ある研究活動が行われています。研究室クローズアップ社会福祉学部 人と人、人と社会との影響関係を研究する社会心理学を専門とする細越准教授は、なかでも特に文化の違いや歴史性による個人の心理や対人関係の変化などを研究しています。 多文化共生が一層求められるこれからの日本社会。外国人や外国にルーツを持つ人たちは、留学生や労働者、国際結婚家族など背景も課題もさまざまですが、言語や文化が異なる環境に置かれていることは共通しています。どうやって地域に適応していくのか、どんな人が支援・仲介役となっているのか、受け入れ側はどう対応しているのか、そのダイナミックな関係を把握し、外国人散在居住地域での多文化共生のあり方を探求しています。福祉心理系 農村社会学、地域社会学を専門に広義の福祉を考える庄司准教授の研究。人の幸せを社会の中でどう作ることができるかを考えます。例えば「自主防災組織」の組織化に関する地域の選択や、伝統や風習などのうち地域社会が守るものと手放すものの選択などに注目しながら、人々の生活を支える地域の仕組みがどう作られていくのかを考えます。「自殺」の問題から「1人暮らし」に至るまで、個人の問題と捉えられがちなことを地域社会の課題として捉え直すことで、地域課題の構造を明らかにし課題解決の方法を探ります。福祉政策系 ソーシャルワークの基本は相手の話を的確に捉えて課題を見つけ、解決へと導いていくことにあります。それぞれのケースにより課題が異なるため、相手と向き合い対話する際には高い専門性が求められます。藤田教授の研究室では、実際の福祉施設で利用者の様子を見たり職員に話を聞くといったフィールドワークをはじめとする質的研究を通して、求められる専門能力の理解を進めています。さまざまな制度や法律、援助のための方法や技術といった専門理論を踏まえつつ、より現場に即した実践的な能力を追求しています。臨床福祉系 佐藤准教授の専門領域は地域福祉。地域住民の主体形成の促進と、そのプログラム評価の仕組みづくりを研究しています。研究活動のメインとなるのはフィールドワーク。市町村よりさらに小さなコミュニティに実際に出向き、学生と共に住民の話し合いの場に同席。話し合いの内容や行為に最後に意味づけを行い、住民の皆さんの気づきを促し、活動へと後押しする役割を担っています。これまで、滝沢市の小岩井地区や奥州市の内堀地区などで、継続的な研究・調査を実施しており、住民が主体となるボトムアップの地域づくりを長期にわたりサポートしています。コミュニティ福祉系 児童養護施設や児童相談所など子どもの福祉の現場に長年勤務していた三上教授。その経験を生かし、子どもと家庭の福祉、なかでも子どもの虐待をテーマに研究を行っています。特に力を入れているのがネグレクトで、早い段階で的確な情報収集や課題把握ができるツールの開発や普及にも取り組んでいます。 アイーナキャンパスの相談事業であるソーシャルサービスセンターでは、児童養護施設や児童心理治療施設の職員に対し専門的な指導を行うなど、岩手県の社会福祉サービスの質の向上にも貢献しています。生涯発達支援系細越久美子准教授の研究室庄司知恵子准教授の研究室藤田徹教授の研究室佐藤哲郎准教授の研究室三上邦彦教授の研究室社会福祉学部・社会福祉学研究科041

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