岩手県立大学 入学案内2021
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 社会において人間関係がつくられるメカニズムや要因、それらがもたらす機能を主な研究テーマに掲げている鈴木伸生講師。社会学、心理学、経済学の諸理論をベースに、統計学の方法論を用いて研究を行っています。研究室では学生自ら興味の持てるテーマを見つけて研究に取り組みますが、自分の身の回りの人間関係からヒントを得る学生が多いとのこと。3年次にワークシート作成などの課題によってしっかりと基礎的知識が身につくため、4年次には自分で研究を進められるようになります。テーマを決めたら先行研究の批判的検討に基づき、問いとそれに対する仮説を立て、適切な方法で検証します。どのような調査や統計分析が必要なのか、ベストな方法を見つけるために、個別に相談を受けるなどこまやかなサポートをしています。 鈴木正貴准教授の専門は「農業土木」。田んぼや畑の整備、効率的な農業用水の配分など、農村を対象にした土木を研究しています。近年問題になっているのが、田んぼ周りに生息する生きものの減少です。農薬などの影響だけでなく、効率化を追求してきた農業土木による物理的な環境変化によって、田んぼが生きものの生息場所として機能しなくなっていることも要因と考えられています。 そこで鈴木准教授の研究室が取り組んでいるのが、田んぼと水路の間に生じた大きな落差を解消する「水田魚道」の整備です。農家の皆さんと共に、農業経営と環境保全を両立するような整備を検討・実施し、その効果を検証しています。「効果の確認された技術を全国に普及させていくことで、日本全体の農村生態系の保全につなげていきたい」と鈴木准教授は話します。地域社会・環境コース鈴木伸生講師の研究室地域社会・環境コース鈴木正貴准教授の研究室どのような資格を取得できますか? 学部全体としては、「社会調査士」の資格取得が可能です。これはアンケート調査などを含む社会調査の専門家としての認定です。また、地域社会・環境コースでは「環境再生医初級」の資格取得が可能であり、「ビオトープ管理士(2級計画部門)」についても資格試験一部免除の対象となっています。「環境再生医」は、自然環境に関する専門知識や地域の歴史・風土への理解などの裏付けのもとに、市民の立場で行政・産業界・教育界・地域住民などとの協働が必要な際に、調整・推進していく役割を担う資格です。Q.A.公務員試験対策の勉強はできますか? 公務員試験は大きく分けて2種類あり、一つは専門科目を課さないもの、もう一つは専門科目を課すものです。前者は市町村職員、県Ⅱ種、警察官等で、後者は県Ⅰ種、国家総合職、国家一般職、国家専門職等です。当学部カリキュラムは、行政職等の専門試験に出題される法律や経済等の科目を多く含んでいますので、公務員を目指す人はまず学部授業で法律・経済の科目をしっかり学んでください。科目のとり方・履修の仕方は地域公共人材研究センターが指導します。そのほか、センターでは必要に応じて勉強会を行って苦手科目のサポートをしたり、受験先の相談に応じたりしています。大学生協の公務員講座と連携し、講座の充実をはかるのもセンターの仕事の一つです。Q.A.総合政策学部・総合政策研究科073

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