岩手県立大学 入学案内2022
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社会福祉学部・社会福祉学研究科045 社会政策、労働社会学を専門としている柴田講師。日本の貧困化の実態とその原因を探り、どうすれば貧困から脱却できるかを模索する研究を行っています。主な研究対象は、建設分野におけるフリーランス労働者など、貧困に陥りやすい不安定就業層と呼ばれる人たち。労働者の貧困化は社会 福祉サービス論を専門分野とし、福祉サービスの質や福祉経営の向上などについて研究している宮城教授。実証型の研究を軸とし、10年ほど前から花巻市にある集落と協働し、農業と福祉を融合させた「農村版地域包括ケアシステム」の構築にも取り組んでいます。昨年からは、岩手県と大 実方准教授は子ども虐待に関するソーシャルワークに注目し、医師や看護師、保健師などさまざまな専門スタッフの強みを生かす「調整」の研究に取り組んでいます。学んできたことや視点の異なる専門スタッフに対して、相手が大切にしていることなどを推察し、互いの違いを尊重することに 泉講師の研究室では、アルコールや薬物などの依存症に関する精神医学の歴史と、依存症を抱える当事者へのインタビューという2つの柱を軸に研究しています。依存症の歴史を100年、200年とさかのぼり、本人の意思の弱さだけでなく、社会的に病気として認知されるまでの過程を分析。当事者には、 災害や事件・事故などでトラウマを抱えた方の支援や援助要請について研究している瀧井講師。日本では専門家への相談や受診に至るまでに時間がかかるケースが多いことから、身近な学校教員や保健師など心理の専門家以外にもできる支援があるのではないかと考え、予防に重点をおいた支援のあり保障が機能不全に陥っていることが原因と考えられ、アンケートなどの量的調査とヒアリングなどの質的調査を組み合わせてその実態を明らかにしていきます。また、国際比較をすることで相対的に問題を捉え、多角的視点で社会を見据えながら問題解決していくことを目指しています。学の共同事業でもある北岩手の地域振興の取り組みも洋野町でスタートしました。 これまでの、社会的弱者に対応するだけの「福祉のまちづくり」ではなく、社会的弱者も中心となりいきいきと働きながら地域をつくっていく「福祉でまちづくり」を目指したいと話します。ついて、医療ソーシャルワーカーとしての経験から実際の現場で感じた疑問点や問題意識をもとに研究を重ねています。「わからないことを見つけることが研究の第一歩」と、学生にも自分の疑問を掘り下げることで得られる研究の楽しさを知ってほしいと語ります。自分が病気だという意識を持つに至った経緯について話を聞き、調査を重ねています。これらを踏まえてインターネットやゲームなど、現代社会における依存症についても考察していきます。また最近は依存症だけでなく、LGBTQなど性的マイノリティに関する研究を行う学生も増えています。方を探っています。 心理師は相談者を待つだけでなく、教育現場や産業領域、子育ての現場、スポーツの分野などさまざまなシーンにアウトリーチできる専門職であるため、他の専門知識を持った人たちと協働し、岩手に合わせた支援を構築していきたいと語ります。実方由佳准教授の研究室柴田徹平講師の研究室宮城好郎教授の研究室泉啓講師の研究室瀧井美緒講師の研究室福祉政策系コミュニティ福祉系臨床福祉系生涯発達支援系福祉心理系社会福祉学部福祉政策系・コミュニティ福祉系・臨床福祉系・生涯発達支援系・福祉心理系の5つの教育系に分かれる社会福祉学部。それぞれに特色ある研究活動が行われています。研究室クローズアップ

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