岩手県立大学 入学案内2022
78/100

078 政治学・政治過程論を専門とする市島准教授。政策と選挙との関係をテーマに掲げ、公共政策の形成過程と主権者教育について研究しています。18歳選挙権の導入により、さらなる充実が求められている主権者教育。総務省の主権者教育アドバイザーでもある市島准教授は、全国の高校などで模擬投票を用いた授業を行いながら、若者に政治や選挙に参加する意義や重要性を伝えています。 昨年度は岩手県選挙管理委員会と連携し、投票への意識を普段から高める常時啓発について学生とともに研究。地方自治体にとっては若者の意見をヒアリングでき、学生にとっては研究成果を政策の場にフィードバックできる、よい機会となりました。「政策は生活に直結しているもの。大学での学びを、主権者の一人として自分自身の生活に役立ててほしい」と話します。 地域経済と財政学が専門の桒田教授。これまで震災復興や農山漁村地域の産業の発展などに取り組んできました。近年は国際比較研究にも力を入れており、諸外国の実状を知ることで日本や岩手など地域のことを考えられる、広い視野をもったグローバル・グローカルな人材を育成していきたいといいます。 2020年は盛岡市・ヴィクトリア市姉妹都市提携35周年記念事業の一環として、鮭をテーマに両市のアーティストによる作品の展覧会やキックオフイベントを主催。いずれも作品選定やPRなどにゼミの学生が大きく関わり、姉妹都市を通して地域資源の活用について考えるきっかけとなりました。実地での学びを大事にしており、今後は学生とともに海外でフィールドワークを行い、地域にフィードバックしていきたいと考えています。 泉准教授が専門とするのは「森林科学」。森林資源の有効利用、生態系のしくみや自然保護など、森林についてさまざまな角度から科学的に探究する学問分野ですが、その意義を泉准教授は「自然の資源を食いつぶさずに利用していくには、どうしたらいいのかを考える学問」と話します。 最新の研究テーマは、「19世紀末における地域林産物の空間的分布」。明治10〜20年にかけて記録された『岩手県管轄地誌』をもとに、かつて岩手県において林産物がどのように使われていたかを探り、そこから、岩手の森林がどのようにできてきたのかを解き明かしたいと考えています。 環境学の源流ともいえる森林科学。学生には、自然の不思議さを感じ、地域の貴重な資源を見つけられる視点を学んでほしいと話します。法律・行政コース経済・経営コース地域社会・環境コース総合政策学部総合政策学部は、法律・行政コース、経済・経営コース、地域社会・環境コースに分かれています。3コースの先生1人ずつに、それぞれの研究室が現在取り組む研究について聞きました。市島宗典准教授の研究室桒田但馬教授の研究室泉 桂子准教授の研究室研究室クローズアップ

元のページ  ../index.html#78

このブックを見る