「社会保障制度のアクセシビリティ(利用しやすさ)」が主な研究テーマで、その中でも「社会階層(職業)と貧困」に焦点を当てて研究を進めています。働き方が多様化している現代では社会階層の分化による貧困問題が堆積されており、そこには現在の社会保障制度の欠陥が大きく関わっていると考えている宮寺准教授。本間講師の研究テーマは「回想法」。高齢者や認知症の方などから人生の思い出を聴く手法で、話す人と聴く人双方の楽しみや社会関係・人間関係の広がりにつながると考えられています。また、地域で高齢者が回想法を実践することは、孤立を防ぐほか、地域の風習・伝統への気づきや継承にもつながります。ソー「精神障害者の地域生活支援のためのクライシス・プラン」と「スクールソーシャルワーカーの実践活動」を主たる研究テーマとしています。前者のクライシス・プランは、安定した地域生活を送ることと病状悪化時の自己決定を保障することを目的に、当事者と支援者らの合意に基づき作成する計画であり、海外では強制入院を防ぐ「発達に心配のあるお子さんの臨床と保護者への養育支援」をテーマに研究しています。「発達障害のある子どもたちの多くは、特別の脳障害を持っておらず、非定型的な発達特性を持って生まれてきたと言われるようになりました。治さなければいけないものではないこと。その特性を持ちながらも、広い意味で自らの「意思決定の心理学」が専門の菊地講師。具体的には、選択肢の数や内容によって意思決定(選ぶもの)が変わるのか、意思決定は何によってコントロールされるのか、といった研究に取り組んでいます。研究内容は基礎から応用、臨床まで幅広い点が特徴で、他の領域の先生方と「オタクとは何か」というテーマでの研究の際には、国の数値と自身の調査数値を組み合わせた独自の統計分析を行うことで、今まで見えなかった傾向や現場の実態の可視化を実現しました。こうした研究を通じて、誰もが人間らしい生活を送ることができる社会の実現を目指しています。シャルワーカーとして実践経験のある本間講師は、他者の生活や人生に関わることで自分の人生も豊かになることを実感。これは回想法とも共通しており、「学生にさまざまな人の人生の歩みから学びを得てほしい」と話します。ことや支援関係が向上する有効性が報告されています。国内では研究が始められて間もないですが、「将来はその有効性を検証していきたい」と狩野講師。また、後者の研究ではスクールソーシャルワーカーの実践活動に関連する要因について検討しており、その配置拡大や実践活動の充実につなげていきたいと考えています。人生を上手に運転していける方法を教えてあげること。そして悩みの多い保護者を支えていくことです」と話す佐藤教授。研究室の学生たちと、発達障害のある子どもたちの臨床活動をしながら、「不安から守ってくれて安心でき、ゆったり癒やされる場所」としての保護者の子育て支援活動に生かしています。共同研究も。意思決定に関する研究は、消費者行動などマーケティングのほか、治療法の選択や患者と医療従事者との意思疎通など医療現場での活用も期待されます。菊地講師は、「あらゆる場面で、『後悔が少なくなる選択』につながってほしい」と願っています。047福祉政策系コミュニティ福祉系臨床福祉系生涯発達支援系福祉心理系ようこそ研究室へ福祉政策系・コミュニティ福祉系・臨床福祉系・生涯発達支援系・福祉心理系の5つの教育系に分かれる社会福祉学部。それぞれに特色ある研究活動が行われています。宮寺 良光 准教授の研究室本間 萌 講師の研究室狩野 俊介 講師の研究室佐藤 匡仁 教授の研究室菊地 学 講師の研究室
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