岩手県立大学 入学案内2023
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062電子制御を必要とするほとんどの製品に使われている組込みシステム。その技術力向上を目指し、本学部では「ETロボコン」に参加しています。これは、ロボットに指定コースを自律走行させ、プログラミング技術や走行性能を競う競技。本学部生はこれまで上位入賞など輝かしい実績を残し、組込みシステムの技術者として活躍する卒業生もいます。令和3年度は、本学チーム「Monolith 2021」がプライマリークラスで東北地区大会を勝ち抜き、チャンピオンシップ大会(全国大会)に出場しました。出典: 株式会社あーぷ顧問梶谷通稔氏による「あなたはビル・ゲイツの試験に受かるか?」https://www.arp-nt.co.jp/rensai/index-sono71.html必修科目で「数学」の魅力を学ぶコスト軽減と新しい価値の創出を実現組込みシステムの技術を競う集合と位相田村 篤史 准教授数学教職課程の設置に伴い、必修科目となった「集合と位相」を担当しています。位相とは集合に与えた幾何学的構造のことです。位相は高校数学と異なり抽象性が高いことが特徴ですが、ここでは具体例を1つ示します。盛岡から東京までまっすぐ歩いても、宇宙からは曲がって見えますよね。地球は丸いのですから。しかし、地球にいる私たちにとっては「まっすぐ」なのです。地球の表面では地球の中心を通る平面による切断線が「直線」になります。ですから、右図のような3つの角がすべて直角の三角形や二角形が存在します(このとき、地球の表面に新しい位相が入ったことになります)。同じことは宇宙でも起こっています。光が直進することはよく知られていますが、重力の大きいところでは空間自体が曲がってしまうので、例えば太陽の近くでは光はまっすぐ進んでいるつもりでも、私たちからは曲がっているように見えるのです。宇宙の形も位相を学ばなければ知ることはできません。数学の楽しさを一緒に学びましょう。岩手県立水産科学館における青少年向けの水産教育ガイドシステムの開発と構築蔡 大維 教授組込みシステムや無線通信が研究領域の蔡教授は、岩手県立大学が取り組む「北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト」において、岩手県立水産科学館の体験学習ガイドシステムを開発しました。これは同館を訪れた子どもが、小型のタブレット端末による音声ガイドとクイズを楽しめるもの。具体的には、展示物のそばに貼付された赤いシール(タグ)に端末を重ねると解説を聞くことができ、5箇所の青いシール(タグ)に端末を重ねるとクイズが出題されるシステムです。ポイントは、子どもが使いやすいよう端末を50gと小型化して操作性を高めていることと、クイズによって子どもの理解度を確認できること。「水産業は岩手の基幹産業であり、それに関する子どもたちへの教育は重要。音声ガイドによって県の財政負担を減らしつつ、新しい価値を作り出すことができました」と話す蔡教授は、今後も研究によって地域の課題解決や活性化を目指します。ETロボコン教育・研究Pick Upソフトウェア情報学部・ソフトウェア情報学研究科では、「世界中の人々に貢献する研究」を目指し、専門知識や技術を生かしたさまざまな教育・研究活動に取り組んでいます。Pick Up 01Pick Up 02Pick Up 03

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