岩手県立大学 入学案内2024
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データ・数理科学コースコンピュータ工学コース064数学(情報)教育に対するソフトウェア情報学および教育工学の活用の研究IoT時代のサイバーセキュリティの研究数学、数学教育、数学才能教育などに興味を持ち、研究に取り組んできた田村篤史准教授。その研究室では、「数学(情報)教育に対するソフトウェア情報学および教育工学の活用」を研究しています。具体的には、生徒や教育現場での「困ったな」「難しいな」という声を踏まえつつ、ソフトウェア情報学部の特性を活かし、「生徒が本質的な理解を得るために、いかにICTを活用していくか」「数学(情報)教育の基礎としての論理教育を、いかに開発していくか」について研究を進めています。また、「新しい発見や技術開発は、人に理解してもらえなければこの世に存在していないのと同じ」と考える田村准教授は、論理を使って人に納得してもらうことが重要であると指摘しています。そして「論理は数学の文法」と捉え、研究室では論理的思考力の修得も目指しています。修得のためには、「頭の中だけで解決する体験をする」「人を説得する体験をする」「根拠を明示するルールを決める」「正しさの原理を理解する」「日本語を正しく使う」等のステップが重要とのこと。こうした研究・教育を通して「柔軟な思考」「未知なるものへの対応力」を身につけてほしいと願っています。成田匡輝准教授の研究室のテーマは「IoT時代のサイバーセキュリティ」。その一例が、「インターネット上の攻撃パケットを観測するダークネット観測システム」です。現在使われていないはずのIPアドレスにまで送られてくるパケットは、ネットワークの脆弱性などを調べるためランダムに送られる「攻撃パケット」である疑いが濃厚とのこと。そこで成田准教授の研究室では、世界中の研究機関と連携して未使用のIPアドレス群(ダークネット)を観測し、攻撃パケットを捕捉する研究を行っています。捕捉した攻撃パケットについては、サンプリング解析や、送信元や送信時間、標的としているサービスなどの情報を組み合わせた「位相的データ解析」により、どのような攻撃を行っているかを研究。一般のインターネット利用者に注意を促します。さらに、攻撃パケットをビッグデータとみなし、AIを使って攻撃者の意図を読み取る取り組みも進めています。「安全なインターネットの普及」を目指す成田准教授は、「ネットワークやIoTデバイスのセキュリティ、SNSを利用した情報収集などに興味がある学生は一緒に研究を」と呼びかけています。ようこそ研究室へソフトウェア情報学部は、データ・数理科学コース、コンピュータ工学コース、人工知能コース、社会システムデザインコースの4つのコースで構成されています。どんな研究活動が行われているのか、研究室をのぞいてみましょう。田村 篤史 准教授の研究室成田 匡輝 准教授の研究室

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