岩手県立大学 入学案内2024
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人工知能コース社会システムデザインコース人工知能を生かした「自然言語処理」の研究農業・教育分野の課題解決に貢献する、機械学習を活用した情報技術の研究日本語や英語など人間が日常的に使っている「自然言語」。松原雅文准教授の研究室では、AI(人工知能)によりこれをコンピュータに理解させることを目的とする「自然言語処理」を取り扱っています。近年の研究内容の一つ「マルチタスク学習を用いたテキスト感情分析手法」は、テキストから感情を機械的に識別する「感情分析技術」の研究。一般的に喜怒哀楽といった感情を高精度に分析するのは難しいのですが、同研究室では、絵文字とその表情に合う感情を同時にAIに学ばせること(マルチタスク学習)で、精度の向上を目指しています。松原准教授は、「この研究が進むと、例えばメールやメッセージに返信する際に、前後の文脈やシーンに合わせてAIが適切な絵文字の選択や文章作成を行い、入力を提案してくれるようになるかもしれません」と未来の可能性を示唆します。異常気象、食糧自給率低下、教育格差など、現代社会にはさまざまな問題があります。南野謙一講師の研究室では、特に農業や教育に関わるこうした問題をデータに基づいて分析し、解決に貢献する情報技術の研究開発を行っています。研究テーマの一例が、IoT機器やロボットなどを活用した「スマート農業」をより発展させるための、AI(機械学習)によるデータ分析。例えば、トマトの収量は、気温や日射量などのデータを機械学習で分析・モデル化することである程度の予測はできるのですが、研究者が現場での聞き取りや観察結果などを分析してデータ化することで、より精度の高いモデルをつくることが可能になります。こうして「この条件を満たせばこれだけの収量が得られる」という予測によって、農家や農業が抱える課題の解決を目指します。研究成果の展開によって身近な社会問題を解決する「社会実装」の重要度が高まる中、「機械学習の知識とともに農業や教育など対象領域の知識を身につけ、それらを社会に活用できる人材が求められている」と南野講師。学生の積極的な研究参加に期待しています。また、「異常状態に対するキャプション自動生成手法」は、見守りカメラや監視カメラなどで検知された異常動作を、AIの深層学習によりキャプション(字幕)生成モデルを構築して生成・出力する研究。人命救助や防犯などの場面での活用を目指しています。065松原 雅文 准教授の研究室南野 謙一 講師の研究室

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