岩手大学 理工学部
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FACULTY OF SCIENCE AND ENGINEERING28023027024028025026029030菅野 江里子|SUGANO Eriko 2BⅠ■ 役職/准教授 Associate Professor■ 専門/細胞工学 Cell engineering 視覚科学 Visual science加齢に伴う神経変性に対する治療法の開発網膜を構成する神経細胞の中で、最初に光を受け取る細胞は視細胞です。この細胞は一旦変性してしまうと回復させることができず、失明に至ります。我々はオプトジェネティクスを応用して、視細胞変性後も残存する網膜の最終アウトプット細胞に光を受容する能力を与え、もう一度視覚を取り戻す研究をしています。この研究では緑藻類の遺伝子を応用しているため、様々な動物種を用いて安全性を検討しています。冨田 浩史|TOMITA Hiroshi2BⅠ■ 役職/教授 Professor■ 専門/視覚神経科学 Visual Neuroscience 分子生物学 Molecular Biology 神経科学 Neuroscience 人工網膜や緑藻類の遺伝子を利用し、失明者の視覚機能再建を目指す外界からの情報の80%以上は「眼」を通して得られると言われるように、眼は生活への貢献度が大きい器官です。毎年約16000人がさまざまな疾患によって失明に至っていますが、現状ではその視覚機能を回復させる治療法はありません。そこで、失明者の視覚機能再建を目指し、眼内へのLSIチップ埋め込みによる人工網膜や緑藻類の遺伝子を利用した治療研究を行っています。また、これらの研究を通して、複雑な視覚情報処理システムの各々の役割を明らかにしたいと考えています。福田 智一|FUKUDA Tomokazu2BⅠ■ 役職/教授 Professor■ 専門/細胞工学 Cell Engineering 分子遺伝学 Molecular Genetics 幹細胞生物学 Stem Cell Biology 動物遺伝学 Animal Genetics無限分裂細胞と人工多能性幹細胞に関する研究我々は幅広い動物種において、細胞周期に関連する共通した3つの遺伝子を導入することで、元の細胞のゲノム状態や性質を保持したまま無限に細胞分裂を誘導できることを見出しました。また近年、発展の著しい人工多能性幹細胞(iPS細胞)技術を動物に適用し、個体や機能の再生と利用を進めています。これらの細胞における技術を用いて新たな細胞を作り出し、世界中の研究者と共有の研究資産として利用しています。若林 篤光|WAKABAYASHI Tokumitsu2B■ 役職/助教 Assistant Professor■ 専門/分子遺伝学 Molecular genetics 神経科学 Neuroscience遺伝学的な研究により、動物が味を感じるしくみの解明に取り組む我々ヒトが普段、何気なく感じている五感のうち、におい物質を感じる嗅覚、味物質を感じる味覚をまとめて化学感覚とよびます。このうち、味覚を検出する生物学的なメカニズムについては、現在でも未解明の問題が多く残されています。私たちは、高等動物と同様の化学感覚を持っているモデル生物・線虫を用いた遺伝学的な研究により、動物が味を感じるしくみの解明に取り組んでいます。安川 洋生|YASUKAWA Hiro2Ⅰ■ 役職/教授 Professor■ 専門/分子微生物学 Molecular Microbiology病原性アメーバの光応答タンパク質の解析ネグレリアフォーレリ(ヒトの脳を破壊する病原性アメーバ)の全ゲノム解析を行ない、BLUFドメイン(青色光受容ドメイン)を有するタンパク質を2種類見い出しました。これまで知られていませんでしたが、本病原体が青色光に応答することが示唆されます。これらのタンパク質の機能を解析し、この病原体の青色光応答性を解析することは、感染予防に役立つと思われます。石垣 剛|ISHIGAKI Tsuyoshi3CⅠ■ 役職/准教授 Associate Professor■ 専門/天文学 Astronomy 天文光学 Astronomical Optics面分光装置の開発に基づく銀河活動の観測的研究銀河からの可視光線や赤外線などを分光することによって、銀河を構成する星やガスの運動状態・物理状態に関する情報が得られます。近年、非常に遠方の銀河の観測が可能となり、銀河がどのように現在の姿に進化してきたのかを推測できるようになってきました。本研究室では、銀河のように空間的に広がった天体からの光を効率良く分光するための面分光装置の開発を行いながら、銀河の観測的研究を進めています。瓜生 誠司|URYU Seiji3CⅠ■ 役職/准教授 Associate Professor■ 専門/物性理論 Theoretical Condensed Matter Physicsナノ単位の物質や構造を持つものの電子や光に関する性質を研究ナノは10-9を意味する接頭語ですが、1ナノメートル(10億分の1メートル)程度の長さを表す言葉としても用いられます。私たちは炭素のナノ物質、半導体や金属のナノ構造などの電子や光に関する性質を明らかにする理論研究を行っています。この微小な世界では、従来の古典的な力学では説明できない不思議な現象が現れます。私たちの研究は、エレクトロニクスをはじめとする幅広い分野での応用の基礎になると期待されます。尾台 喜孝|ODAI Yoshitaka3CⅠ■ 役職/教授 Professor■ 専門/数学(整数論) Mathematics(Number theory)代数的整数と素イデアル分解整数を拡張した概念である「代数的整数」の研究をしています。整数において素数や素因数分解が研究対象になるように、代数的整数においては「素イデアル」や「素イデアル分解」と呼ばれるものが研究対象になります。純粋数学の中でも長い歴史を持つ伝統的な分野ですが、近年は暗号理論など実用的な分野への応用も盛んになって来ました。

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