岩手大学 大学案内 2024
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《教えて!ジャージーさん~実験牛から次世代の畜産へ~》人も牛も健康で、環境にも良いSDGsな畜産を追究しています。《Anonas Lighting(アノナスライティング)》防災システムで災害から人を守る。Anonas Lightingは、防災ラジオを用いた防災システムの開発に取り組んでいるカンパニーです。これまで、開発した機器の試験配備を行い、実際に住民の方々に使っていただき、意見をいただきました。この意見を基に機器の改善を行い、機器の製品化を目指していきます。また、開発活動以外にもビジネスコンテストや新聞の取材などの広報活動にも力を入れています。今後、一人でも多くの人を災害の被害から守れるシステム開発を進めていきたいと思います。私たちは実験牛だったジャージー牛を引き取って循環型畜産を実践、そのうえで牛の健康や収益性を両立するための課題解決に向けて畜産の現場で格闘しています。日本の畜産は、品種改良や集約飼育技術で収益性が向上した反面、動物福祉や環境負荷などの課題があります。畜産の強みは、動物の力を借りて草など人間が利用できないものを牛乳やお肉のような利用できるものに作りかえることにあります。さらに動物の排泄物と太陽によって草は茂り、人と動物と環境との間でエネルギーが循環するSDGsな「循環型畜産」ができます。私たちはこのような畜産の強みを生かしながら、課題に向き合って活動していきます。11IWATE UNIVERSITY 2024農学部 共同獣医学科照井周二さん〈岩手県立花巻北高校出身〉総合科学研究科 理工学専攻 電気電子通信コース佐藤旭飛さん〈宮城県泉高校出身〉学生が主体となり立ち上げたプログラムを通して、地域社会と関わり、大学の中で「社会経験」を積んでいく。学生のアイディアを実現「Let’sびぎんプロジェクト」 岩手大学では、学生が主体となった活動を支援する制度が充実しています。その一つが「Let’sびぎんプロジェクト」。岩手大学の学生が自主的に設定した独創的なプロジェクトに対し、大学が経費の補助を行う制度(1件につき最大20万円)で、過去10年以上にわたり、様々なプロジェクトの支援を行ってきました。学生ならではの視点で見つけた多様なテーマについて、スタート部分となる資金面を後押しし、岩手大学生の力を学内から地域社会まで広く発揮してもらうことを目指しています。 例えば、野生動物による農業被害対策への支援活動や、沿岸被災地域の食文化を発信する活動など、これまで大学内外問わずたくさんのプロジェクトが始動してきました。またプロジェクト終了後もサークル活動として活動を継続させている団体、活動を発展させている団体も多くあります。学生が主体となり、オリジナルの視点で活動を展開し、地域や学内の課題を解決していくことで、地域貢献にもつながっています。『会社』を立ち上げ事業運営を実体験する「学内カンパニー」 さらに岩手大学では、「学内カンパニー」というプログラムがあります。これまで高く評価されてきた岩手大学の「ものづくり」の成果を地域に発信し、さらに発展させていくために提案された事業が「ものづくりエンジニアリングファクトリー―(EF)」。その組織内の「起業家支援室」が中心となり、学内に学生で構成される仮想的な企業「学内カンパニー」を設立。基本的に社長(代表)も社員も学生で、事業計画から、設計、部品発注、試作、製作、業績試算までを学生自身で行います。もちろん給料(時給)も発生。債務責任を負うこと以外については仮想的と思えないような「会社」を運営しています。さらに「ものづくり」だけではなく「ひとづくり」「ことづくり」を事業とする「会社」もあり、理工系以外の文科系の学生も参加する全学的なプログラムとなっています。 企業や学内の部門から業務委託を受けたり、システムや商品を共同開発するなど、内容は多岐にわたります。また、自治体との共同研究に至るケースもあります。事業運営の仕組みや企業同士のつながりを実体験として学ぶ事ができるほか、学外アドバイザーとなっている地元企業の方々と身近に接する貴重な機会にもなります。大学にいながら「社会体験」を積むことができるのがこうしたプログラムの魅力です。

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