やりたいことに、きっと出会える。時間を忘れて大好きなネコの脂質代謝の研究に没頭しています。担当教員メッセージ教授 伊藤菊一担当教員メッセージ当学科では動植物・食品・微生物など、様々な事柄について学ぶことができます。どの分野も座学・実験が充実しており、自分の興味のある分野を見つけられます。私は、発熱植物ザゼンソウの発熱メカニズムについて研究を行っています。核酸やタンパク質といったあらゆる生物に共通の分子を鍵として、生命現象を理解しようとしている点に面白さを感じています。何かをとことん追求してみたいと考えていた私にとって、興味のあることを研究できる環境はかけがえのないものです。完全肉食のネコは、脂肪の多い食餌をとり続けても血中コレステロール値の上昇が起きません。これは生体内でコレステロール生合成に必要な原料を積極的に別の化合物に代謝して尿に排泄する経路が亢進しているからです。私は、ネコでだけこの経路が亢進する分子メカニズムの解明を目指しています。私の研究は、身近な動物の理解が深まるのはもちろんのこと、ヒトの脂質代謝異常を予防する研究にも繋がると期待しています。大好きなネコの謎を探究している時間はとても充実しており、日夜研究に励んでいます。我々は発熱する植物の中でも寒冷環境を好んで生育し、恒温性を示すザゼンソウを対象とした研究を行っています。ザゼンソウの発熱は、呼吸と密接な関係があり、発熱器官においては、酸素の消費と二酸化炭素の放出が観察されます。門傳さんは、発熱に関わる呼吸によって生じる二酸化炭素の一部が発熱反応に再利用されるプロセスを研究しています。世界で誰もやっていない研究から面白い成果が出てくることを期待しています。「人間・イヌ・ネコを2つのグループに分類してください」と問われたらどう答えますか?進化系統樹や外見から判断すれば、人間とイヌ・ネコのグループに大別できます。しかし視点を変えて考えると、人間とイヌを同じグループにまとめてネコを分けることもできます。「なんで?」と思われるかもしれませんが、私たちの研究でネコの尿には種に特有なにおい成分が含まれていて、その生産機構もネコに特化していること、マタタビから放出される特有な化合物にネコだけ反応することが分かってきました。動物の行動や生理に興味のあるみなさん、化学的視点から生物の謎を解き明かしてみませんか?教授 宮崎雅雄69IWATE UNIVERSITY 2024門傳春菜さん 〈盛岡白百合学園高校出身〉須賀絢香さん 〈埼玉県本庄東高校出身〉生物化学/食品・栄養化学/応用微生物学/植物栄養・土壌学/分子細胞生物学/環境ストレス生化学学びの分野先輩、この学科でどんなことしてるの?
元のページ ../index.html#69