岩手大学 理工学部
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白しら井い 誠まさ之ゆき 教授15| 高校生のための研究紹介 | 私たちの研究室では、グリーンサスティナブル(安全で持続可能な)な触媒化学プロセスに関する研究を行っています。触媒とは、化学反応を促進する物質で、衣類やプラスチックなどの高分子原料、医薬品原料などの有機化合物合成や自動車からの排気ガスの浄化などに用いられています。現在、石油を原料として様々な化学物質が作られ物質的に豊かな社会が形成されています。一方、石油が枯渇資源であること、合成の際に用いられる有機溶媒や酸が環境や人体に及ぼす悪影響が懸念されています。私たちの研究室では、木や草などのバイオマスや廃棄プラスチックなどを原料とし、水や二酸化炭素などを溶媒として化学原料を合成する触媒の開発と実用化を目指しています。水はそのままの状態では油と混ざりません。しかし高温にすると、有機物を溶かしたり、分解させることができるようになります。密閉した容器に水をいれ温度を上げると100℃よりも高い温度の水を作ることができます。例えばオートクレーブ(圧力反応器)に水と竹と固体酸触媒(ゼオライト)を入れ140℃にすると竹を分解して、溶剤やプラスチック原料になるフルフラールを得ることができます。現在の化学工業プロセスでは硫酸を用いてフルフラールが合成されていますが、廃水による土壌汚染が問題となっています。高温の水の中で安定に作用するゼオライト触媒を開発しています。黒鉛の層間にナノサイズの薄さのシート状の白金微粒子を形成。香料の原料を作る触媒として有用です。ほとんどの装置は手作り。合成反応はもとよりガラス細工から装置開発まで行いますオートクレープ(圧力反応器)を使い、高温高圧の水や二酸化炭素を溶媒とした触媒反応を行います。石油に代わりバイオマスから有用な化学品原料を合成する触媒反応を行います二酸化炭素は31.1℃、73.8気圧以上にすると超臨界状態になります。超臨界状態とは液体と気体との両方の性質を持った状態で有機溶媒の代替となります。工業的には超臨界二酸化炭素を用いてコーヒーからのカフェイン抽出やマヨネーズからのコレステロール除去に用いられています。有機溶媒を用いる医薬農薬中間体合成に対して、二酸化炭素を代替溶媒として用いるクリーンな触媒プロセス開発も当研究室で行っています。化学はものづくりに欠かせない学問で、あらゆる産業に関連しています。よって業界の需要も高く、化学コースの卒業生は、大手企業そして地元の企業において、さまざまな分野で研究職や技術職として活躍しています。女子の人気が高いこと、就職率の高いことも化学コースの特徴です。Profile1964年生まれ、東京都出身。東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了。専門は、触媒化学、表面化学、超臨界流体、グリーンケミストリー。単身赴任中の現在は、平日は23時近くまで研究室に。週末は仙台で家族と過ごしON、OFFを切り替えている。化学・生命理工学科 化学コース理工学専攻 物質化学コース水や二酸化炭素を利用した水や二酸化炭素を利用したグリーンサスティナブルな触媒化学グリーンサスティナブルな触媒化学

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