■■■■■■■■■■■■■■■■■■■75IWATE UNIVERSITY 2025担当教員メッセージ担当教員メッセージ養殖で三陸の水産業を活性化させたい!!ひとえに水産といっても様々な分野があり、水産システム学コースでは、養殖、遺伝、商品開発、水産経済などの分野を学ぶことができます。その中で私は、三陸における主要魚種の資源減少を養殖で解決することで、水産業を活性化できないかと考え、養殖に関する研究室を選びました。この研究室では、養殖効率を上げる研究や、エサに柑橘類を混ぜて育てる養殖魚の研究などが行われています。このように多角的に水産を学ぶことができるのが水産システム学コースの強みです。三谷守さん 〈福島県立橘高校出身〉持続可能な開発目標(SDGs)への関心の高まりを受けて、農業・食品関連産業においても持続的なシステムの構築が求められています。私の研究室では、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法による環境負荷の解析を行うことにより、農業環境工学的観点から持続可能な食品流通加工プロセスを構築することを目指して研究を行っています。農業・食料に関わる要素技術を俯瞰的にとらえる能力を養成することで、イノベーションの創出に貢献できる人材を育成します。准教授 折笠貴寛学生時代から一貫して「生き物の子作り」について研究してきました。その根本となる「性の仕組み」について魚の体内で起こっている現象を、個体全体からその根本となる細胞、ホルモン、遺伝子にまで掘り下げてきました。その中で商品価値の高い片方の性別だけを産ませる「雌雄産み分け」技術の水産業への実用化研究なども行っています。岩手大着任後はこれまでの経験を活かし主幹魚種不漁に困窮されている地元を応援するため、地域の皆様と一緒に三陸の海でのサーモン養殖産業化に向けた研究を行っています。教授 平井俊朗● 農業気象・環境学 (2年後期)植物は常に様々な環境変動にさらされながら生育しています。本授業では、まず主な環境変動の実態を概略的に理解し、さらに冷害を代表とする様々な気象災害の概要を学習します。● 水産科学入門 (1年前期)水産システムを構成する海・漁業・流通加工・増養殖といった各セクターの役割と繋がりを知り、水産業の魅力や課題を考察します。● 農産食品プロセス工学 (3年前期)農産物・農産食品の加工、保存、流通に関する基礎理論について学び、この講義をベースに食料・農業・エネルギーなどの地域の諸問題を技術的観点から解決できる人材の育成を図ります。● 海洋実習Ⅰ・Ⅱ (1年後期・3年後期)船に乗って船内生活を実体験し、海洋調査や漁業体験を通じて海洋環境や漁業への理解を深めます。● 食産業マーケティング論 (2年前期)農産物については農協や農業生産法人の販売活動および卸売市場などの流通機能、加工食品についてはメーカーのマーケティング、および問屋と小売の流通機能について学習します。● 漁村調査実習 (3年後期)漁業関係者との対話や漁業体験を通じて漁村と水産業の理解を深め、現場が抱える課題と将来像を考えます。食料と地域産業 : 農業農村工学/農業情報環境/水産科学PICK UP カリキュラム■■■■■■■■■■■■■■■■■■■将来の環境問題を見据え持続可能な食料体系の構築を目指します。食用昆虫は生産時の環境負荷が非常に少ない食品として注目を集めています。昆虫食品の社会普及が中々浸透しない原因の一つである見た目の忌避感は、発酵食品への高次加工により軽減させることができます。そこで私は、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いて昆虫発酵食品製造プロセスの環境負荷を解析し、環境負荷に影響を与える因子を解明することにより、持続可能な製造プロセスの構築を目指しています。星野彩優花さん 〈栃木県立鹿沼高校出身〉PICK UP カリキュラム食産業システム学コースでは、食をとりまく環境の高度なシステム化や次世代の農作物生産環境、6次産業化や農業経営管理などを学ぶことで、農業の成長産業化に必要なアカデミックスキルを養成し、日本農業を転換できるイノベーション力を有する技術者・研究者の育成を目指します。今、日本のみならず、世界でも水産・海洋問題に積極的に関わり解決できる人材が不足しています。そうした中、水産システム学コースが新設されました。本コースでは、水産を文理融合した知識と経験で俯瞰的に理解する視点を学び、実践的に三陸を見つめながらグローバルな可能性を持った人材を育成していきます。■■■■■日本農業の未来を変えていくイノベーション力ある人材を養成します。三陸を見つめながら、グローバルな視点で水産・海洋問題を解決できる人材を育成します。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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