77IWATE UNIVERSITY 2025人と動物の共生について考える。家畜を効率よく生産するための研究を行なっています。担当教員メッセージ教授 出口善隆担当教員メッセージ教授 澤井健この学科では産業動物を中心にさまざまな動物について学んでいます。講義の内容も分子や遺伝子のレベルの話から環境全体まで幅広く扱うため、自分の興味のある分野が見つかります。私の所属する研究室では、動物の行動面から野生動物による農作物の被害対策や、展示動物の飼育環境を改善する研究を行っています。この研究室の特徴はフィールドワークです。実際に現地に赴き、自分の体を動かして調査をしています。動物と人間が良い関係性を築ける社会を目指して日々勉学に励んでいます。齋藤恵さん 〈宮城県石巻高校出身〉私は、動物生殖工学研究室に所属しています。当研究室ではウシやブタなど家畜の生殖工学に関する研究を行なっており、そのなかでも私はウシの体外受精胚に関する研究を行なっています。ウシの体外受精胚を母ウシの体内(子宮)に戻した場合、胚が着床する割合が体内受精胚と比較して25%も低いことが問題となっています。この問題点を解決するためにウシ胚のDNAやmRNAを解析し、体外受精胚ではどのような遺伝子の発現が体内胚と異なっていて、それによりどのような影響が起こるのかなど、日々研究を行なっています。宮原舜平さん 〈新潟県立新潟江南高校出身〉私たちの研究室では、生息域を拡大するイノシシの土地利用や、シカの増加がカモシカにおよぼす影響など、ヒトの生活圏近くに生息する野生動物の研究を行っています。動物園のゾウやキリンにおける給餌機の利用など、動物に心理的苦痛を与えない飼育管理の研究も行っています。また、森林にウシを放牧する技術の研究も行っています。これらの調査や研究を通して、ヒトと動物がともによりよく暮らしてゆける社会の構築を目指しています。体外で卵子と精子を操作して卵子に精子を侵入(受精)させる体外受精技術は、遺伝的に優秀な子牛を効率よく生産するために重要な技術ですが、体外受精胚は様々な問題を抱えています。宮原君は、それらウシの体外受精胚における問題を分子生物学的な手法を用いて解決しようと熱心に研究に取り組んでいます。皆さんも、生殖工学技術を用いて「生命誕生の不思議」を解き明かしてみませんか。動物科学 : 動物生理学/動物生殖工学/動物遺伝育種学/動物栄養機能学/家畜飼養学/草地学/動物行動学/食肉科学■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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