岩手大学 理工学部
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准教授むらあききお木村男FACULTY OF SCIENCE AND ENGINEERING 彰知能情報コース修士:理工学専攻/知能情報コース| 高校生のための研究紹介 | Profile1968年生まれ、岩手県出身。岩手大keyword学工学研究科を修了後、ソニー(株)に入社。岩手大学には1995年より勤務。工学部助手、講師を経て、2015年より現職。長時間コンピュータに触れているため、オフの日はルービックキューブやDIYなどアナログな趣味に没頭。最近は妻のためにギタースタンドを自作した。電磁波の反射率の違いを用いて、より高精度に穂や葉を区別して認識させる試みにも取り組んでいます。【キーワード】 画像認識/画像処理技術/コンピュータビジョン/三次元復元/機械学習/AI /ドローン理工学科では、コンピュータ自体について学ぶことはもちろん、世の中の役に立つためにどのようにコンピュータを活用するかを研究しています。ンピュータの認識能力はとうてい人にはかなわないといわれていました。しかし、ここ数年の機械学習やAI の飛躍的な発展で、これまでできなかったことがどんどんできるようになってきています。の真っ只中にある学問だと実感しています。を見分ける画像診断支援システムや、牛の鼻紋パターンを活用しした。また、東日本大震災の津波で被災した震災遺構を、コンピュータビジョンを使って3Dディジタルデータとして残す取り組18当研究室では、コンピュータを利用したディジタル画像処理に関する技術を幅広く研究しています。私は学生時代から特に画像認識に関連した研究をずっと続けていますが、十数年前まではコ画像認識は機械学習やAI と相性がよく、まさに今、技術の進化画像処理技術は、さまざまな分野への応用が期待されています。研究室でもこれまで、痣の画像からそれが悪性なのか良性なのかた個体識別システムなど、多分野への応用の可能性を探ってきまみに協力したこともありました。最近では農業分野への応用を目指し、岩手大学農学部の先生とコラボレーションし、画像から稲の収量を予測する研究に取り組んでいます。農学部の実験水田では数百種類もの稲を育てており、農学部の学生たちが手動で稲のサイズを測ったり穂の数を数えたりして収量などのデータを取得しています。これを、画像処理技術により省力化できないかと考えたのです。ドローンを飛ばして水田を撮影し、二次元の画像から三次元的な情報を復元し、その形状や穂の状態を推測できないか実験を重ねています。現状、画像から復元した情報と実際の数値にはある程度の相関があることがわかっており、さらに、電磁波の反射率の違いを可視化したスペクトル画像を分析して穂や葉の識別率を向上させる研究も進めています。私自身、学生時代から継続してこの分野を専門としてきたのは、研究していて楽しく、おもしろかったからです。楽しいと思えることは長続きします。学生には自分の研究を楽しんでほしいと思いますし、興味を持ってもらえるような指導を心がけています。いつか、教え子の中から研究者が誕生してくれたらうれしいですね。画像処理や人工知能の画像処理や人工知能のさまざまな分野への応用さまざまな分野への応用

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