岩手大学 GUIDE BOOK 2026
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IWATE UNIVERSITY 2026教育学部 教員研究紹介Introduction to Research27生まれ月と成熟度から見る子どもの運動能力の評価と育成方法歴史教育の歴史を紐解く「博学連携」の歴史から教師教育の可能性を探る「障害」をとおして「自分」と向き合う未来を支える高分子科学〜科学と教育の融合〜古典とは何か運動学 小学校や中学校年代の子どもにおいては、同学年でも4月生まれの子どもは脚が速い傾向を示します。そのなかでも「成熟が早い4月生まれの子ども」において、その傾向が顕著です。脚の速さに限らず、子どもにおける種々の運動能力は、生まれ月と成熟度に大きく影響を受けるとされています。私の研究室では、子どもたちの長期的な運動能力の育成やタレント(才能)の発掘のため、子どもの特徴に応じた新たな評価方法の検討や、トレーニングおよび介入方法の立案などを行っています。社会科教育学歴史学 歴史の教科書は、歴史学の研究成果を反映しています。「歴史教育と歴史学」は切っても切れない密接な間柄ですが、戦前両者は別個のものと認識され、教育者と研究者の交流は乏しく、そのなかで政治による歴史教育の利用がなされていきました。では、今日はどうでしょう。歴史教育と歴史学は、果たして盤石な関係を築けているのでしょうか。私の研究テーマは「歴史教育の歴史」です。この研究では、歴史教育の戦後史を、歴史学をはじめとする学問研究との関係で跡付けつつ、現在の状況を見定めようと試みています。教育史 教育史とは、人間や教育に関する歴史的事象を検証することを通して、先人が教育に込めた願いや過去の失敗に学びながら未来の教育のあり方を考える学問です。私の現在の研究テーマは学校と博物館との関係史。教育=学校と思われがちですが、明治初期、さまざまな教育機関との連携なしに学校教育は成立しえず、当時の博物館も学校教育を支えるうえで重要な役割を果たしました。私は公文書や教師が残した記録に依拠しながら、博物館が学校や教師にどのような援助をし、教師がどのように資質を高めていったのかを調べています。特別支援臨床心理学 「特別支援教育」と聞くと「障害のある子」への個別支援という印象を持つかもしれません。でも「空気を読むのが苦手」「忘れっぽい」「勉強が嫌い」は障害でしょうか? 障害とは何かを考えることは、他者を理解したり、自分と他者との関係を考えることです。人は、他者と接するときや何かを学習するとき、その方法やプロセスが多数派と異なる場合に「ズレ」が生じやすくなります。その構成要素を整理し,理解しやすい環境を工夫することによって、人間同士のつながりの中でお互いが「自分」と向き合うことをテーマに研究しています。化学 プラスチックをはじめとする高分子材料は、現代の生活に欠かせない存在。この高分子材料に新しい機能を持たせる方法や、材料の劣化による性能低下を正確に評価する技術などについて研究をしています。また、高分子は環境問題とも深く関わる重要なテーマですが、高分子を学習する機会はほぼ高校化学に限られます。そこで、小中学校の授業でも高分子を取り入れる可能性を探りながら、物質分野における新しい教材の開発にも取り組んでいます。このように、科学技術を支える研究と、理科教育の向上を目指した研究を行っています。国語科教育 古典というと、高校国語「古典探究」の教科書に載っているものを指すと捉える人が多いと思います。それらはなぜ古典とされるのでしょうか。古典は最初から古典となることが決まっているわけではありません。「読むべきではない」とされていたものが、ある時期から「読むべきもの」とされるなど評価が百八十度変わることもあります。また、一度古典とされたものが、その後もずっと古典とされ続けるというわけでもありません。古典とは何か、これから学校教育で古典として扱うべきものは何か。そのようなことについて研究しています。発達障害学理科教育学日本古典文学教員紹介研究室紹介保健体育科講師 奥平 柾道社会教育科講師 宮崎 嵩啓学校教育科准教授 髙田 麻美特別支援教育科准教授 滝吉 美知香理科教育科准教授 佐合 智弘 国語教育科准教授 船越 亮佑

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