岩手大学 GUIDE BOOK 2026
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IWATE UNIVERSITY 202647令和7年度 岩手大学 農学部改組のご案内ゲノム情報や繁殖技術を活用した効率的な家畜の育種改良牛卵子の体外成熟、体外受精、体外発生培養条件の最適化に関する研究水産生物の生活史を調べ、適切な資源利用のあり方を生物学の視点から探るウルシ林を持続的・効率的に育成するための育苗技術と育林方法動物遺伝育種学 牛の効率的な育種改良のためには、個体の遺伝的能力を把握し、高い能力を持つ個体を早期に選抜することが重要です。近年、ゲノム上に多数存在する一塩基多型の情報から個体の能力を直接評価する技術「ゲノミック評価」が開発されました。この評価は出生後に行うのが一般的ですが、受精卵の段階で能力評価を行い、受精卵移植で能力の高い個体のみを選択的に生産できれば、極めて効率的な育種改良が可能になります。本研究室では、受精卵由来のごくわずかなDNAを用いたゲノミック評価技術の確立を目指し研究を行っています。家畜繁殖学臨床繁殖学 今、畜産経営は、飼肥料や光熱費の高騰、子牛価格の暴落など、とても大変な状況です。これに対処するため、生きた雌牛の卵巣から卵子を採取し体外で成熟、受精、発生させ、短期間に大量の優良な牛胚を作出し、胚移植で子牛を産ませる技術に注目が集まっています。本大学の農学部附属畜産飼料総合教育研究センター(AFSeC)御明神牧場では、各発生段階の培養液にサプリメントを添加するなど、牛胚の発生率や妊娠率を向上させるための技術開発を行っています。開発された技術は共同研究等を通じて生産現場に普及しています。家畜生産機能制御学魚類生態学 水産生物を資源として持続的に利用することを考える時、その生物の生態を知ることはとても重要。特に成長・寿命・繁殖特性などの生活史に関する情報は、水産物を漁獲する適切な時期や量を考える上で欠かせません。しかし、水産生物の生態は実に多様で、それぞれの対象種に適した資源利用の方法も複雑に異なることが予想されます。一方で、水産資源を利用する漁業から消費までの活動を知ることも同様に大切です。水産資源の持続的な利用や将来を見据えた利益の最大化を考えながら、適切な資源利用方法について研究しています。造林学 漆は古くから日本人の生活・文化と深い関わりがあります。岩手県は国産漆の7割以上を生産する希少な生産地ですが、ウルシ資源量は充分ではなく、早急なウルシ林の造成が必要です。一方でウルシの種特性は不明な点が多く、苗木育成や育林の際に大きな問題となっています。本研究室では、植栽時の活着性が良いコンテナ育苗に着目し,養分利用特性を中心に調べ,演習林での植栽試験を実施しながら優良なウルシ苗木生産技術の確立を目指すことで、特色ある岩手県の漆生産文化の保続と発展を支えていきたいと考えています。水産資源学教員紹介研究室紹介動物科学・水産科学科動物科学コース准教授 藤井 貴志畜産飼料総合教育研究センター准教授 平田 統一動物科学・水産科学科水産システム学コース教授 下瀬 環寒冷フィールドサイエンス教育研究センター助教 白旗 学

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