東京海洋大学 2020 統合報告書
16/52

海洋産業AIプロフェッショナルを育成する卓越大学院プログラムを始動東京海洋大学では、2019年度に文部科学省「卓越大学院プログラム」に選定されたことを契機として、大学院における5年一貫の教育プログラムである「海洋産業AIプロフェッショナル育成卓越大学院プログラム」を構築します。我が国唯一の海洋系総合大学である本学が有する卓越した海洋の知見をもとに、ビッグデータや人工知能を用い、AIの社会実装を主導する人材「海洋産業AIプロフェッショナル」を育成するプログラムです。「海洋産業AIプロフェッショナル」の人材育成 海洋関連の労働人口の減少が危惧される現代社会において「Society5.0(超スマート社会)」の実現に大きな役割を果たし、多様な価値・システムを創造する人材の輩出により、世界における我が国の海洋プレゼンスが確立されることが期待されています。本学では、ビッグデータ解析や機械学習法をリテラシーとして身に付け、本学が有する海洋、海事、水産の専門知識とフィールドに関する豊富な経験を元に、的確に人工知能を用い、その社会実装を主導するイノベータ・高度専門技術者や海洋政策の立案を行う人材である「海洋産業AIプロフェッショナル」の育成プログラムを構築してまいります。 本プログラムは、博士課程5年一貫教育プログラムとして構築します。 博士前期課程では、リテラシー教育としてビッグデータ解析と機械学習に関する講義科目と海洋AI開発評価センターにおける演習科目を開設、専攻にとらわれない実習を行い、修了時には、博士論文研究基礎力審査(Qualifying Examination)による審査を行い、大学院の専門教育の社会実装を目的とした人材育成を行います。 博士後期課程では、高度信頼性が要求されるAIの性能評価手法を学ぶ高度信頼性評価コースと、AIが社会に与える影響を学ぶ社会実装影響評価コースを設置し、人工知能導入に関する専門科目の開設、連携機関における実際の業務(プロジェクト)に参加するレジデントシップ科目やフィールドワークなどを通じてAI社会実装に対する経験を積みリーダーとして必要な能力を育成します。 こうした取組を通じ、卓越大学院プログラム修了後の2026年度には「海洋産業データサイエンス専攻(仮称)」の設置を目指します。[Vision 2027] 関連プロジェクト1. 教育 ● Ⅰ 国際的な基準を満たす質の高い教育 ● Ⅱ 海洋分野で世界をリードする独創的な教育プログラム」 2. 研究 ● Ⅱ 将来におけるトップクラスの研究を支える人材育成」東京海洋大学は、2019年4月から「ビジョン2027」をバージョン2として改訂し、教育分野では、国際的な基準を満たす質の高い教育や海洋分野で世界をリードする独創的な教育プログラムの推進、研究分野では、将来におけるトップクラスの研究を支える人材育成、をそれぞれアクションプランとして掲げ取り組んでいるところです。今回採択された卓越大学院プログラムはこれらの方針に沿っており、大学院の充実のために設置する5年一貫の博士課程は、本学の核となる重要なプログラムになります。今後、10年、20年先における海事、水産を含めた海洋産業は大きく発展する可能性を秘めており、その中で、AIを駆使できる人材は必須となることでしょう。海洋の未来を拓くために、全学を挙げて水工連携で取り組むAIプロフェッショナル人材育成の構築学長の想いTokyo University of Marine Science and TechnologyIntegrated Report14

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る