東京海洋大学 2020 統合報告書
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卓越性を維持するための教育・研究体制 本学は、①海洋産業が求める自動運航船の開発、②人工衛星やアルゴフロートデータに基づく海洋観測、③水圏生物のゲノム情報解析、 ④水産資源の評価と管理、⑤次世代スマート水産業の創設等、海洋・海事・水産の広範な分野を網羅的に教育・ 研究できる体制にあり、本学の特色である最新鋭「神鷹丸」等の練習船、水圏科学フィールド教育研究センター及び先端ナビゲートシステム等を活用し、新たに2019年11月1日に「海洋AI開発評価センター(MAIDEC)」を設置しました。今後は、連携機関とともに海洋AIコンソーシアムを結成し、産学官の連携で本プログラムを推進します。 本プログラムの学生は、こうした教育・研究体制の中で海洋における様々なビッグデータの収集・分析及びAI解析により、「航海士の見張り業務の自動化」、「自動離着桟が行える自航行船」、「ロボットなどによる漁業・養殖作業の自動化・省力化」、「天候予測や海洋情報に基づく水質管理の自動化・最適化などによる超省力・高生産なスマート水産業の実現」などが提案できる高度技術者を目指します。 海洋産業におけるAI人材の育成により、社会全体としても資源保護を維持した食料の増産や安定供給、人手不足問題の解決が可能となります。海洋産業AIの社会実装が実現されれば、それによって生み出された高付加価値サービスが海外にも展開でき、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献します。いであ株式会社代表取締役会長田畑日出男 様ビジネスの現場ではイノベーションを創出する柔軟な発想力が望まれています。水産、物流、資源、エネルギー等、海洋の産業利用は増々加速することが期待され、多種多様なデータが蓄積されています。これらのビッグデータが示す科学的な意味を理解し、海洋の課題解決のため情報連携技術を駆使できる人材を育成することは急務です。本プログラムが担う次世代の人材輩出に期待して、私達も連携していければ幸いです。NPOマリンテクノロジスト理事長加納敏幸 様私達の夢は、海事産業がこれまで培ってきた技術、知識の伝承を支えていくことです。ICTの活用は、船舶管理の形態や海事産業の働き方を変え、海事関連の従来のビジネスモデルを変え、社会の発展に繋がります。これら情報技術を十分な知識を持って活用でき、イノベーションを創出できる人材の育成が必要です。実践的なデータの提供などを通じて貴学と連携しこの夢が実現することを信じています。社会の変革をリードし、次世代の海洋産業を担う人材育成を支援します産官学と連携した大気から海底下までの様々なビッグデータ(BD)を横断的に収集・解析。ビッグデータ解析、AI開発評価に関する教育プログラムの開発及び教育を提供。連携機関メッセージ国立大学法人 東京海洋大学:統合報告書Integrated Report15

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