東京海洋大学 2020 統合報告書
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最新技術に対応できるエンジニアに 海洋電子機械工学科では、船舶とそこに搭載される機器を軸に教育を行うことで、最新技術に対応できる幅広い知識・技術を身に付けたエンジニアの輩出を目指しています。そのエンジニア像の一つが船舶機関士であり、船舶プラントのあらゆる課題に、工学的知識の裏付けをもって対応できる人材です。 プラントを維持管理する力を身に付ける 船舶機関士は、船内機器=プラント全体の連動を理解し、制御・開発できる専門技術者でなければなりません。一度出航すると外界から隔絶される船舶の中では、船員だけであらゆるトラブルに対処するため、機器を動かすだけでなく、修理やトラブルを起こさない管理運用、機器の開発まで行う必要があるからです。そのためには「良否や状況を適確に判断する力」、「応用できる工学的な知識」、「運用・保守から管理までの技術」の習得と、これらの知識・技術を相互に組み合わせ、船舶や搭載機器を工学的・技術的(・人的)・経済的などあらゆる観点からマネジメントすることが必要です。講義や実験および実習を通じて、こうした素養を育むカリキュラムを組んでいます。 実務に即した船舶機関士教育 カリキュラムの中では、「工学知識」「工学技能」「海運や船舶に関する知識・技能」を融合させることを大切にしています。 共通科目の低学年次では、機器や技術を理解する準備として基礎工学を幅広く学ぶとともに、数理的理解、世界情勢の理解、ひいては海運を取り巻く状況を把握するため、自然・人文・社会科学系や語学系の科目も学びます。高学年次では、機関システム工学コースに進級し、低学年で学んだ工学知識を深めます。その一方で、船員として必要な能力を磨く場として各学年に実験・実習科目を配置し、船舶の運用保守等に関連する電子機械工学実習や、実際の船舶による船舶実習などで、機関士の実務を通して、知識と技術を使って考える場を提供します。  学ぶ内容には、技術や工学に直接関連のない広範囲の知識・学習も含まれるように見えますが、船舶機関士として実務を行う上では、実は必要なものです。単に作業を行うだけでなく、その作業が与える影響を理解することで、より高度な船舶機関士につながると考えています。 Tokyo University of Marine Science and TechnologyIntegrated Report22船舶機関士を育てる[海洋電子機械工学科]プラント全体をマネジメントする機関士を目指してEDUCATION

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