東京海洋大学 2020 統合報告書
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[調査のポイント] マクロサイズとマイクロサイズのごみを並行して調査目視観測マクロサイズの海洋漂流ごみの目視観測ニューストンネットマイクロサイズの海洋漂流ごみの採取底びき網海底ごみの採取海洋汚染問題に対する研究推進 SDGs(持続可能な開発目標)のうち、特に14:海の豊かさを守ろう達成やブルーエコノミー(海洋を利用した経済発展)実現のためには、国内外の研究機関、政府や産業界と連携した海洋の保全への取組が不可欠です。本学では、近年ますます関心が高まっているプラスチックごみ等の問題に対して、沖合海域における漂流ごみと海底ごみの調査研究(環境省より委託:2014年度~)を世界中の海に展開することで、国際的に海洋ごみ調査研究をリードしています。 海洋ごみの問題と現状 家庭や工場、漁業の現場などから海に流れ出るごみが、(海洋)生物への被害、船舶の安全航行や漁業操業の妨げ、沿岸域居住環境の劣化など、深刻な問題を引き起こしています。このような海洋ごみの中で最も高い割合を占める海洋プラスチックごみは、今後ますます増え続け、2050年には魚の量を凌ぐという報告書もあります。対策を講じていくためには、調査研究に基づき実態をより正確に把握することが重要です。 東京海洋大学における海洋ごみ調査 本学では、練習船(海鷹丸・神鷹丸・青鷹丸)を用い、海洋ごみ(マイクロプラスチックを含む)について、その種類や分布密度・量等に関する調査、各海域の分布特性及びその時間変化や発生源等の解析を行っています。2014年度から本学が中心となり本州を一周するように実態調査を開始し、調査海域を東南アジア周辺、インド洋、南極海、西太平洋などへ拡大してきました。漁獲されたミズウオ1尾の体内から出たごみTokyo University of Marine Science and TechnologyIntegrated Report26地球上の海洋ごみを可視化するマイクロプラスチックを含む漂流ごみと海底ごみの分布調査RESEARCH

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