東京海洋大学 VOYAGE 2021
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国立大学法人 東京海洋大学VOYAGE 202105[新たな生存戦略 ──「起業」と「AI」]学生や卒業生が新しいビジネスを見つけ出す環境 ──「起業教育」。「プログラム開発」と「現場」の間を埋める人材育成 ──「AI研究」。Q. 外部資金をいかに獲得していくかは、非常に切実な課題かと思います。この点に関連して井関学長が今後取り組んでいきたい構想等があれば、教えてください。A. 起業教育を取り入れたいです。企業に寄附金をお願いするにも限度があるし、卒業生に寄附を求めてもなかなか集まらない。卒業生は就職すると母校とのつながりが切れてしまうので、母校に寄附したいと感じなくなってしまいます。他方、例えばアメリカの大学では、起業した卒業生が困難に遭遇した際、大学のときの指導教員に意見を求めにきます。それがきっかけでその先生の研究室に戻ってくることもあります。この場合、卒業生と大学のつながりが切れていない。ここに一つの糸口があります。大学内に起業に関係する知識を持つ人、実務的な支援をする税理士や弁理士の事務所等を有するアントレプレナープラザのような施設を併設したいと思います。そこで起業を志す学生や卒業生が対話を通じて新しいビジネスチャンスを見つけ出していく。本学でもそういう環境を作っていきたいと強く思っています。それから、長期的には海洋分野のデータサイエンスや人工知能の社会実装というテーマに取り組みたいですね。本学は海洋に関する研究では先端を行き、データ収集のノウハウと、データ自体を正しく評価する知識については負けません。AI専門の技術者は、プログラムを作成しても、入力するデータの偏りや優劣を正しく評価することが難しい。AIのプログラム開発者と現場の間を埋める技術者を本学が育成することで、様々な社会的課題解決において、主導的役割を果たす人材を輩出できると思っています。回流水槽での共同研究風景。実験では所属キャンパスの域を超えて施設を利用している。

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